ジブリ映画『もののけ姫』のサンの生い立ちについて考察します!
サンは人間を恨んでいますが、サン自身は人間です。ということは両親も人間のはずで、サンの母親がエボシだという都市伝説があります!
エボシの裏設定や、サンが捨てられて山犬に育てられた理由も含めて、徹底考察しますよ!
サンの生い立ちと捨てられた理由は?
生贄(いけにえ)として捨てられた
もののけ姫のサン pic.twitter.com/8GOgEhoJni
— ジブリがいっぱい (@dydhfddhf1) August 2, 2021
サンは山犬には育てられたものの、見た目からわかる通り人間です。
つまり、人間の両親がいるはずなのです。
その両親の存在については劇中で触れられていないものの、ヒントはたくさんあります。例えば、モロの君がアシタカに言ったこの名シーンでのセリフ。
「黙れ小僧!お前にあの子の不幸が癒せるのか?
森を侵した人間が我が牙を逃れるために投げてよこした赤子がサンだ!」
映画『もののけ姫』より
どうしても「黙れ小僧!」の名セリフが残ってしまってその後の言葉の印象が薄れがちなのですが、しっかり超重要なことを言っていますよね!
サンは、モロの君や自然界の怒りを鎮めるために差し出した生贄だった
ということです。
映画の物語では、エボシが治めるタタラ場が鉄を採るために森を荒らしているために、森に住む生き物たちは怒り狂っていたのです。自然と人間の共生をテーマにしているのが『もののけ姫』でした。
- 本当に生贄として差し出されたのか
- 村がモロの君やそのほかの生き物たちに襲われたから置いていかざるを得なかったのか
詳しい状況は想像するしかありませんが、なんにしても、モロの君が、「サンは人間に捨てられた子」と認識しているのは事実ですね。
サンはなぜ山犬に育てられた?
もののけ姫
モロの君かっこいいと思った事ある人RT pic.twitter.com/CNOMEx6ySm— 🐇 (@yukiizoo) March 24, 2013
サンが生贄として差し出されたのだとしたら、モロの君に生贄として処理されたはずです。しかし、サンはなぜ山犬に育てられたのでしょうか。
モロの君はサンのことを相当不憫に思ったのでしょう…まるで本当の自分の娘のように、サンを育てます。
しかし、その育て方は山犬としてではなく人間として育てています。
- 4足歩行ではなく2足歩行
- 山犬の声ではなく人間の言葉で会話
というように、サンとモロの君との関わりから、人間としてサンを育ててきたことがわかりますね。
これは、モロの君に
サンがいつでも人間界に戻れるように
という想いがあったからだと思われます。でないと、わざわざ人間のように育てる必要性はないですもんね。あるいは、
自然界と人間界の橋渡し的な役目を果たせるように
という目論見もあったのかもしれません。
「もののけ姫」となった理由
ジブリ公式から画像無料配布きた✨
私はもののけ姫が一番好き😀
森と自然は大切に🥺人間がすべてを支配してはいけない pic.twitter.com/SYLWLgP5dY— ちゃたうた (@tyata_0830) October 17, 2020
サンは山犬たちに育てられるに従って、モロの君を本当の母親のように慕い、彼女の子どもである山犬2匹ともきょうだいのように接します。
人間界に戻らなかったのは、そもそも自分がこのような境遇になったのは人間たちのせい、と考えるからです。人間に対する恨みがすごいんですよね。
でも、当然です。森で暮らしていく中で、小さな女の子には危険がたくさんあったでしょう。危険な動物もたくさんいるはず。
- 今の不遇な状況は、どれもこれも自分を捨てた人間のせい
- 母親代わりであるモロの君が住む森を奪っているのも人間だ
と、やりきれない思いを人間への憎悪の感情へ変換するのは、当然の話なのです。
いつしか、山犬たちと一緒に人間や「たたら場」を襲撃するようになり、その姿から「もののけ姫」と名付けられたのでした。
それにしても、本当は人間なのに、自分を山犬だと信じないと生きていけない環境は、あまりにも辛いと思いませんか。
自分自身を森を侵す人間だと認めてしまうことは、母親代わりのモロの君への裏切りのように感じるのでしょうね…それはきっと心が引き裂かれるようにつらいこと。だからサンは、
自己が崩壊してしまわないように、自分を山犬だと偽らないと生きていけない
のです。
母親はやはりエボシ?
サンとエボシ様が戦うシーンから刀を好きになったのを覚えてる#もののけ姫 pic.twitter.com/CVfr50hBfg
— Venus (@Venus_Dream100) October 26, 2018
サンには人間の親がいるはずですが、なかでも母親があのエボシ御前なのではないか、と言われています。
その根拠は2つあります。
根拠①エボシがサンの命を奪わなかった
『もののけ姫』劇中で、サンがタタラ場に乗り込み、エボシの命を奪おうと戦うシーンがあります。
エボシとサンが戦う場面では、サンはむしろ押され気味で、エボシが勝ちそうな雰囲気でした。エボシが本気を出さずとも、余裕でサンを倒せたはずです。
しかし、エボシはサンの命を奪いませんでした。むしろ、怒った子どもをあやすかのような態度でしたよね。その事実から、
サンが自分の娘とわかっているから殺せなかったのではないか
と考察されるのです。
根拠②モロの君のエボシ個人に対する憎しみの強さ
モロの君は、エボシに対して
「あいつの頭をかみ砕く日を夢見て…」
と言うほど、恨んでいます。かなりの殺意があります。
また、人間全体への恨みというよりも、このエボシ個人に対する憎しみがかなり目立って強いのです。
サンを捨てたのがただの村人なら、母親としてあるまじき行為をしてしまったその母親かあるいは人間全般を憎むはずです。
つまり、モロの君は、サンの母親がエボシであることを知っていて、殺意を抱くほどに憎んでいるのではないか、と考えられます。
エボシの裏設定が母親である証拠?
もののけ姫は、大人になってから観ると、野生児サンよりオシャレな着物着て口紅まで付けてるエボシの方が美人だなぁって…。しかも男のためにオシャレしてる訳では無いのが良い。
あと笑い方が豪快なのも良い。 pic.twitter.com/OlynNB04q8— いかライダー (@ika819rider) July 10, 2020
『もののけ姫』の映画の中では全く触れられていませんが、宮崎駿監督が書いたエボシにまつわる裏設定が見つかっています。それは、
- エボシは人身売買の被害に遭い海賊に売られた
- 海賊の頭の妻となり、それなりの地位を築いた
- 夫を殺害し、石火矢の技術とともに帰国
- その後、売られた女性や難病の人を受け入れ、タタラ場の長に昇りつめた
という、なんともたくましいエボシの裏設定です。
つまり、一時的にですが夫がいたエボシに、子どもが生まれていても不思議ではないのです。
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まとめ:『もののけ姫』のサン
ジブリ映画『もののけ姫』のサンの壮絶な生い立ちと母親がエボシだという噂、捨てられた理由について調べて考察してきました。結論、
- サンは生贄として捨てられた
- エボシがサンを殺さなかったことから、エボシが母親の可能性が高い
ということでしたね。『もののけ姫』はそれだけで面白いのに、裏設定まで知ると納得することもたくさんあって、物語をさらに深く理解することができますね♪