ジブリ『風立ちぬ』の効果音が気持ち悪い!なぜ人の声や口で表現?

ジブリ映画『風立ちぬ』の効果音が気持ち悪いという意見があります。

実は、効果音が人の声や口で表現されているのですが、なぜそのような表現方法になったのかについても、調べました!

気持ち悪い、との感想が多い『風立ちぬ』の効果音について、徹底的に迫ります!

目次

『風立ちぬ』の効果音が気持ち悪い?

関東大震災の地響きや、飛行機のプロペラの音など、『風立ちぬ』の効果音の大半は、人の声で表現されています。

だからこそ、なのか、「気持ち悪い」という感想を抱く人も多いようです。例えば、次のような感想があります。

特に、地震の人の声の効果音は、画の表現よりも、声に独特の「気持ち悪さ」や「怖さ」を感じて、

良い意味で不気味な印象

を作り出したと言えそうです。

なぜ人の声や口で表現したのか?

宮崎駿監督の意図

宮崎駿監督はもともと、さまざまな音が組み合わさって鳴る複雑な効果音を、他者に伝える難しさを痛感していたそうです。

例えば、『風の谷のナウシカ』の玉蟲(オーム)の幼虫が動くシーンです。「シャカシャカ」「ピキピキ」という音について、「枯れ木をすり合わせる音と、細かい木や骨やエビの甲殻のようなものが折れたりする音が重なって…」と説明してもうまく伝わらず、そのうち自分自身でもわからなくなってしまったのだとか。

そこで宮崎駿監督は、

「子どもの頃はほとんどみんな絵を描きながら自分で声を出して、
音楽も効果音もセリフも全部やっていたりするのだから、
いっそ全部人の声でやったらどうなんだろう

引用元:https://ghibli.jpn.org/trivia/the-wind-rises-2/

という考えに至ったそうです。

本物の音にいかに近づけるか、に苦心していることが本当に正しいことなのか、宮崎駿監督は疑問に思ったのですね。

鈴木敏夫プロデューサーの考え

鈴木敏夫プロデューサーもまた、

本物の音を再現することにどれだけの意味があるのか。

と考え、最終的に、宮崎駿監督は

本物の音かどうかではなく、らしく聞こえることが大事

という結論に至ったことを明かしています。鈴木プロデューサーも賛成したようですね。

本物の音を追求すること自体には、あまり意味がないということです。

むしろ、芸術作品の一部として効果音が存在するという意味では、効果音でいかにそのシーンで伝えたいことを伝えられるかが重要なのだろう、と思いました。

効果音を担当した笠松広司とは?

人の声と口を使った効果音は、”音の魔術師”と呼ばれる笠松広司(かさまつ こうじ)さんが担当しました。

笠松さんは、ジブリ映画最新作の『アーヤと魔女』(2020年)や、『映画 えんとつ町のプペル』(2020年)、『思い出のマーニー』(2014)など、ジブリ作品以外にも数々のヒット作品で音響演出を担当する方です。

『風立ちぬ』で宮崎駿監督から、「効果音は全部、人の口で表現してほしい」とい要望を聞き、

「長編をやるにあたって、口の音だけで全部成立するのか?という思いがあり、
20分くらいのデモ版を作ってみたんですよ。
試みが新しすぎて難産でした……」

引用元:https://natalie.mu/eiga/news/208138

と、効果音制作に対する苦労を語っています。

また、効果音を作り出すにあたり、

「口じゃなくても自分の体で出せる音だったらセーフっていうマイルールがあって、
爪や骨を鳴らしたり、歯をカチカチやったりしたんです。
実音でやれば楽なんでしょうけど、体を叩いて低い音が出るところを探しました。」

引用元:https://natalie.mu/eiga/news/208138

とも明かしていて、笠松さんは自分の声だけじゃなく、体のいろんな部分を使って、最適な音を作り出していたことがわかりますね。

相当苦労されている様子が目に浮かびます。体を叩いて低い音が出るところって、どこなんでしょうか…(^^;

まとめ

ジブリの映画『風立ちぬ』の効果音が気持ち悪い、人の声でという件について調べてきました。

  • 人の声や口で効果音を表現することで、気持ち悪さや不気味さを演出
  • なぜ人の声で効果音を作ったのかという理由は、
    本物の音にこだわることなく、らしく聞こえることが大事と考えたから
  • 効果音は、「音の魔術師」である笠松広司氏が担当

ということがわかりましたね。

宮崎駿監督も面白いことを考えますね!確かに良い意味で気持ち悪い感じがあります。

一度、効果音を再確認するために、『風立ちぬ』を見直したくなりますね!

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