2016年公開の新海誠監督による大ヒット映画『君の名は。』
作中で起こる彗星の落下という災害は、ヒロイン・三葉の町に大きな被害をもたらすことになります。
被害を防ぐため、瀧と三葉は町長である三葉の父親を説得し、町民を避難させようとしますが、なかなか信じてもらえません。
しかし、結果的には
「町に彗星が落下したが、その時は偶然町全体で避難訓練をしており、町民のほとんどが被害エリア外にいたため助かった」
となります。
説得のシーンから災害後までがはっきりされていないため、何が起こったのか謎が残りますね。
今回は
- 父親が避難訓練を指示したのはなぜ?
- 避難訓練が成功したのはなぜ?
- 三葉が父親を説得できた理由は?
について徹底考察していきたいと思います!
父親が避難訓練を指示したのはなぜ?
映画「君の名は」を観てきましたー!!
— 蒼バス (@aobasu628) October 8, 2016
瀧が三葉の友達2人と学校に避難させるとはいえ発電所を爆破した時は驚いたw
最後に瀧と三葉が会えて良かった!
。゚+.( °∀°)゚+.゚#きみの名は pic.twitter.com/nwrehbe3B4
避難訓練を指示した理由
彗星が落下すると言っても断固として信じてくれなかった町長(三葉の父親)ですが、どうして避難訓練を指示することになったのでしょうか。
それは
三葉が彗星落下を予言していたことを隠すため、
メディアへの建前として「避難訓練をしていた」ということにした
と考察できます。
ここで避難と災害までの経緯を振り返ってみましょう。
避難から災害発生までの経緯
- 瀧が瀧の時代で彗星落下の事実を知る
- 彗星落下の当日、三葉に入れ替わった瀧が朝目覚める
- 町民を避難させるため三葉(瀧)が友人と停電や電波ジャックを画策する
- 高校の校庭に町民を集めるが、途中で失敗する
- 三葉(瀧)が父親に会い、町民に避難指示を出して欲しいと頼む
- 説得に失敗する
- 本物の三葉なら説得できると思い、山に登って再び入れ替わりをする
- 瀧と三葉が出会い、町民避難の作戦を受け継ぐ
- 本物の三葉が父親を説得する
- ニュースで糸守町の住民に被害がなかったことが報道される
作中では父親の説得に成功したシーンはありませんが、被害がなかったということは、本物の三葉が改めて父親の説得に成功したということになります。
そして、この三葉たちが起こした一連のできごとを
建前上「偶然、避難訓練をしていた」とし、ごまかすことにした
のです。
事実を公にすれば、予言者である三葉に注目が集まってしまいます。つまり、三葉を世間から守るため「避難訓練」という建前を使ったのです。
また、停電や電波ジャックなどの不祥事も、訓練時の不具合や彗星落下の被害ということにすれば、町としても大騒ぎにならないだろうと考えたのだと思います。
町長としてとても機転が利いた対応ですね!
避難訓練が成功したのはなぜ?
落下地点は、ここ。
— 【FyNo Gaming】 またピネだ! (@kiminonawa_1004) October 3, 2019
8時42分。祭りで人が集まっている場所に、ちょうど落ちたんだ…
皆様今日は糸守町の彗星災害から6年の月日が経ちました。
何気ない10月4日
君の名は。のファンにとっては、かけがえのない1日なのです。
#君の名は
#ティアマト彗星
#1200年に1度 pic.twitter.com/mNTQfXrcb1
避難と言っても、たくさんの町民が助かったのはいったいなぜでしょうか。
それは
彗星落下の日は宮水神社の祭りで、町民のほとんどが集まっていたから
と考えられます。
彗星落下の当日は、宮水神社の祭りが行われていました。したがって、祭りのために町民約500人が集まっていたのだと思います。
そして電波ジャックにより全体に避難指示を放送をすることで、一度に避難させることができたということです。
まとまって移動できれば、ほとんど被害なく避難できそうですね。
三葉が父親を説得できた理由は?
理由その1:
父親が三葉と瀧が入れ替わっていることに気付いたから
#映画メガネ
— アオヤギのBさん(ばんざい) (@banzargi) May 7, 2019
「君の名は」より宮水一葉
三葉のおばあちゃん
先祖代々続く宮水神社の宮司
三葉の中身が瀧くんである事を朧げに気づいていたり、不思議な力がありそう
全ての物、人には結びという繋がりが有り、無駄なことなどは無いと言うスタンス
へぇー、糸守にもアンダーリムってあるんだ pic.twitter.com/grxQEl6qs1
三葉になった瀧が父親を説得しようとしたとき、父親は「お前は誰だ」と言いました。
このことから
父親は三葉の中身が三葉ではないことに気付いた
つまり
三葉が誰かと入れ替わっていることに気付いた
と考えられます。
三葉(瀧)が起こした停電や電波ジャックも、三葉に入れ替わりが起こっていることも、何か町に重大なことが起こっていることを予感させるには十分なできごとです。
ちなみに、一説によると、
三葉の父親も過去に入れ替わりを経験している
とのことです。
「お前誰だ」というセリフは、入れ替わり現象を実際に経験している瀧も言ったセリフです。
三葉の父親も同じ入れ替わりを経験しているからこそ、「お前は誰だ」と言った可能性はありますね。
もしその説が本当であれば、父親の入れ替わりの相手は三葉の母・二葉であると考察できます。
三葉の祖母・一葉も入れ替わりのことを知っているような感じだったため、入れ替わりは宮水家の伝統?!だと思われるからです。
宮水神社を代々営み、神に近い場所で暮らしていた宮水家なら、入れ替わりのような不思議な力が継承されていてもおかしくありませんね。
理由その2:
父親が三葉の母・二葉のことを思い出したから
君の名は。の宮水三葉の父親宮水俊樹は、最愛の妻である宮水二葉が難病にかかった際、「運命だ。受け入れるべきだ。」とする宮水神社と糸守の宗教観によって治療を拒み、亡くしてしまう。俊樹は「私が愛したのは二葉だ!宮水神社じゃない!」その宗教観を変えるべく町を作り変えようと町長になる。 pic.twitter.com/madbm534jP
— お湯の水割り (@Oyuno_Mizuwari) December 21, 2020
外伝小説「君の名は。~Another Side:Earthbound」によれば
父親は、三葉の母・二葉の
「この世のすべてはあるべきところに収まるんやよ」
という言葉を思い出した
とあります。
三葉の父親は、宮水家や宮水神社と町のしがらみを抜け出して町長になります。神や運命などの古い慣習に頼らず堅実に町を家族を守りたかったからです。
しかし、三葉が説得しに来た時、三葉の顔にかつての二葉の面影を見た父親は全てを察するのです。
- 町長になるのは、自分のあるべきところだった
- 彗星が落ちるこの日のために町長になった
- みんなを救えるのは、避難指示を出せるのは、自分しかいない
政治家で現実主義でありながらも、最愛の妻・二葉の言葉はずっと心に残っていたのでしょう。
三葉の説得が成功したのには、このような背景があったのです。
まとめ
『君の名は。』を観た人。ノベライズの『君の名は。Another Side:Earthbound(加納新太著)』を読むと、何故お父さんが最終的に三葉(瀧)の話を聞いて町の人を避難させたのか、三葉のお母さんや四葉のエピソード、宮水家がなぜ存在しているのか等、「そうだったんだ」が沢山でお薦めです #君の名は pic.twitter.com/sZ9nFLELya
— Shogo Numakura 沼倉正吾 (@ShogoNu) June 30, 2019
今回は、【君の名は。】父親は避難訓練をなぜ指示?三葉が説得できた理由について徹底考察しました!
- 父親が避難訓練を指示したのは、
彗星落下を予言した三葉をメディアから守るため - 避難訓練が成功したのは、祭りで町民が集まっていたから
- 三葉が父親を説得できた理由は2つ
その1:三葉と瀧の入れ替わりに気付いたから
その2:父親が三葉の母・二葉を思い出し、自分のあるべきところに気付いたから
ということが確認できましたね。
映画『君の名は。』の外伝小説「君の名は。~Another Side:Earthbound」は、サブキャラクターについて掘り下げられている内容となっています。特にどうして父親が三葉の説得に応じたのかが詳しく書かれています。より作品の深みを味わうことができるので、読んでみてはいかがでしょうか。