『コクリコ坂から』の主人公・海は、毎朝欠かさずに旗を掲げます。
その旗には意味があり、その意味を知っているという人は数少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、
- 海と俊が掲げる旗にはどんな意味がある?
- 最後のシーンで海が旗を掲げた理由は?
について解説していこうと思います。
ネタバレを含みますのでご注意下さい。
海と俊が掲げる旗にはどんな意味がある?
コクリコ坂からのメルこと松崎海です
— タケナカ本舗 (@nulkErlJFHYTTZ1) April 13, 2023
高校生にしてシェアハウスの管理人を務め
身近な家事をこなして そして学生の本業である勉強も
ジブリキャラの中で結構優秀なんで
僕はめっちゃ印象深いです pic.twitter.com/yVPOzuRnwB
『コクリコ坂から』では、何度も旗を掲げるシーンが見られましたね。
船に関して勉強したり、家族に船乗りがいたりしなければ、旗の意味がわかる人は数えるほどかもしれません。
そこで海と俊が掲げた旗の意味について解説していきます。
海が掲げた旗について解説!
ちなみに「コクリコ坂から」の主人公、海ちゃんが毎朝お父さんのためにあげているのとまったく同じ信号旗が、実際に港の見える丘公園にはあるんですよ…………!!!好き🙏🙏 pic.twitter.com/5O7XBVr4uf
— あくたぎ (@aimaiwwes) July 9, 2020
海は毎朝、亡くなった父親の花瓶の水を替え、旗を掲げます。
その旗は、赤と白の旗と青い四角の中に白と赤の四角がある旗でした。
海が掲げている旗は、
国際信号旗といい、出航していく船に対してU旗とW旗で『安全な航行を祈る』という意味になります。
また、入港してくる船に対しては『歓迎している』意思表示になるのだそう。
国際信号旗は全世界共通で船舶が使用しており、アルファベット文字旗が26枚、数字旗が10枚、代表旗が3枚、回答旗が1枚で構成されています。
船乗りでも何でも無いのに、国際信号旗がある程度読める。
— 多趣味なサラリーマン, 出稽古先:グリーン(一応…空柱) (@oita_tn24) July 18, 2022
コクリコ坂からで出てきたわな。 pic.twitter.com/jnvsGV15Po
計40枚で意思疎通をするのかと思うと、なんだか感動しますね。
しかし、素人が見るとどこかの国旗のようにも見え、全く理解不能です。
見間違えることは重大なミスにつながるでしょうし、船乗りたちはしっかりと覚えているはずです。
海は亡くなった父親に対して、届かなかった無事を祈る気持ちを旗を掲げることで、伝え続けていたのだと思います。
海のやるせない思いを感じて、とても切ない気持ちになってしまいました。
俊が掲げた旗について解説!
ちなみに、海があげていたUW旗は「航海の安全を祈る」という意味で、俊が乗るタグボードの旗はそれに対する返礼。知り合う前に二人は旗で交流していた。#コクリコ坂から #ジブリ pic.twitter.com/q10ilQwSBK
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) August 12, 2016
俊は毎朝船に乗っていて、海が旗を掲げていることを知っていました。
俊が掲げていた旗は、
海と同様にU旗とW旗でしたが、一番上が紅白の『回答旗』だったのです。
回答旗の意味は、『安全を祈る』という信号旗に対しての『感謝』を意味しています。
しかし本来、回答旗は単独で使用するもので、信号旗とは掲げないのだそう。
軍艦から商船に向けて信号旗と回答旗を組み合わせる方法も取るそうですが、俊の船は商船のため、何かの意味が込められているのではないでしょうか。
おそらく、俊は毎日旗を掲げてくれる海に対しての感謝を表していたのだと思います。
しかし、そんな俊の思いとは裏腹に、海はそのことに全く気付いていませんでした。
なんとももどかしい展開ですが、フレッシュな気持ちにさせてくれる気がします。
最後のシーンで海が旗を掲げた理由は?
「コクリコ坂から」(再観賞)
— みさき (@aotonatsu99) September 17, 2022
新しいものだけが素晴らしいと信じていた時代に古き良きものを残そうと立ち上がる学生達、まさに青春群像劇
海と俊が繰り広げる物語は何度観ても最高
安っぽいメロドラマなんて言わせないぞ!
ラスト小野寺とのシーンは涙が、🥲
“ 上を向いて歩こう ” pic.twitter.com/h7fhfUmLAk
映画のラストで、海はまたいつもと同じ旗を掲げていました。
毎朝の同じ風景ですが、海の様子が少し違ったことにみなさんお気づきだったでしょうか?
海は旗を掲げる時上を向いて、汽笛を聞いた時は前を向いていました。
明らかに海の中で気持ちの変化があったことを表していることがわかりますね。
このシーンですが、実は脚本になかったものの、宮崎吾朗監督が後から加えたのだそうです。
そして宮崎吾朗監督は、
『人はそんなにすぐ変われなくて、海はまだ父親のために旗を掲げている』という解釈を明かしています。
このシーンに関しての解釈は人それぞれですよね。
私は海が俊と異母兄弟でなかったことがわかり、父親への感謝と尊敬に加え、俊への無事を祈る思いが加わったと解釈しました。
『コクリコ坂から』
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まとめ
20.コクリコ坂から
— さゆ❁.*・゚ (@sa_u22) October 24, 2017
ラスト!!!!#ジブリビンゴ大会 pic.twitter.com/yKEcgaREom
海と俊の掲げた旗の意味や最後のシーンの旗の意味について解説してきました。
解説のまとめとすると、
- 海の掲げる旗は国際信号旗といい、U旗とW旗で『安全な航行を祈る』という意味になる
- 俊の掲げた旗はU旗とW旗、一番上が紅白の『回答旗』で海への感謝を表していた
- 最後のシーンで海はいつも通り旗を掲げていたが、上を向いて汽笛を聞いた時は前を向いていた
ということになりました。
『コクリコ坂から』は複雑な部分や爽やかな気分になれる部分があり、見ごたえがありますよね。
旗の意味を理解したところで、もう一度『コクリコ坂から』をご覧になってみてはいかがでしょうか。