ディズニーの実写映画やアニメで有名な『アラジン』ですが、原作からひも解くと、モデルの国・舞台は中国だということを知っていましたか?
まさかの衝撃の事実ですが、これにはいろいろと理由があるようなんです。
そして、ディズニーの実写やアニメに登場するアグラバーは、一体どこなのか、という点も、建物や衣装などからいろいろ考察していきたいと思います!
それでは早速確認していきましょう!
実写版『アラジン』のネタバレになりますので、ご注意ください。
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元ネタ『アラジンと魔法のランプ』の舞台は中国?
元ネタの元ネタ『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』の舞台はペルシャ?
ディズニーでアニメや実写版映画が製作されているため有名な『アラジン』ですが、そもそもの
元ネタは『千夜一夜物語』(アラビアン・ナイト)
です。
千夜一夜物語とは、ペルシャ(現在のイラン)の王に妻が毎夜物語を語る形式になっています。なぜそんなことをしたというと、
というわけなのです。
つまり、本当の元ネタは、遡ればペルシャ(イラン)の話、ということになります。もはや、はじめは「アラブ(北アフリカや湾岸諸国を含めた西アジア、イラクやエジプトなど)」とは異なっていました。
しかし、『アラジン』がペルシャの話と決めつけるにはまだ早いのです。この後に、紆余曲折があります。
元ネタ『アラジンと魔法のランプ』は中国の話
この『千夜一夜物語』はペルシャで編纂されたものの、後にペルシャはイスラム教徒に征服され、アラビア語翻訳版が登場します。
それを、1000年くらい経過してから、フランスのルイ14世につかえていた東洋学者アントワーヌ・ガランがアラビア語版からフランス語に翻訳して、『千一夜(アラビアン・ナイト)』として出版されます。
しかし、ガランが翻訳をしたときの『千一夜』には282夜しかありませんでした。なぜならば、
アラビア語で「千一夜」は、数が多いことを意味し、正確な数(1001)を示しているわけではない
からです。
しかし、ガランを含め当時のヨーロッパの人たちが、「千一夜は1001の物語という意味だ」と信じてフランス語版には次々のいろんな話が追加されました。そのうちの一つが『アラジン』のベースになった『アラジンと魔法のランプ』です。ほかにも、『アリババと40人の盗賊』『シンドバッドの冒険』もこのときに追加されたました。
追加された話はペルシャやアラブに関係ない、世界各地の説話でした。
そして、『アラジンと魔法のランプ』の冒頭で、「アラジンは中国人の少年である」という記載がはっきりあることから、中国の話であることがわかります。このときにはジーニーなども登場しません。
『アラジン』の元ネタ『アラジンと魔法のランプ』は中国の話だった
ということがはっきりわかりますね。
ちなみに、『アラジンと魔法のランプ』の挿絵はこんな感じだったようです。
左にいるのがアラジンとジャスミンと思われますが、かなり東洋系ですし、むしろジャスミンは日本人なんじゃないかと思えてしまう着物を着てますね(^^;
当時のヨーロッパ人が中国と聞いて想像するのがこんな感じだったのかもしれません。
アニメや映画『アラジン』のアグラバーのモデルの国はどこ?
アラジンの元ネタ原作『アラジンと魔法のランプ』は中国の話だということがわかりました。しかし、当然ですが、ディズニー版『アラジン』にはまた別のアレンジが加わっています。
アニメや実写映画の『アラジン』のモデルがどこなのかを検証しますが、結論、
ディズニー『アラジン』のモデルの国は、中東各国+インドのごちゃまぜ
と言えます。少なくとも中国的な要素は見当たりませんよね(^^;
ちなみに、実写版とアニメ版の『アラジン』にも結構違いがありますので、比較して見ると面白いです。

アグラバーの王宮モデル⇒インド/アグラのタージマハル、トルコのアヤソフィア
アグラバーの王宮のモデルは、インドの超有名観光スポット、タージマハルと言われています。タージマハル自体は王宮ではなく、お墓なのですが(;^_^A
確かに、実写でもアニメでも、王宮一番上には、こういう丸っこいがドームが乗っかっていたような気がしますね。似てます。
しかも、このタージマハルがある場所が、なんとインドの「アグラ(Agra)」という街です。
アグラバーという国の名前はこの「アグラ」から取っていそうですね。
アグラはこんなところにあります。
■インド アーグラ
ちなみに、実写版の王宮は、タージ・マハル感がやや薄れ、丸いドームがやや平べったい感じがあり、高台にあります。そこから連想されるのが、トルコ・イスタンブールにあるアヤ・ソフィア。
実写版ではこういう感じだった気がします。アヤソフィアはもともとはキリスト教の大聖堂だったのですが、15世紀のオスマン帝国の侵略により、イスラム教モスクに改築されたいう、いろんな歴史が詰まった世界遺産です。
タージマハルも、インドがイスラム勢力(ムガル帝国)に支配されていたときの建造物なので、モスクっぽいです。学生時代の世界史の授業を思い出します…。
アグラバーという名前と王宮のモデルは、
インド・アーグラのタージマハルと、トルコ・イスタンブールのアヤソフィア
で間違いないでしょう。
アグラバーの街並みのモデル⇒イラクのバクダッドの予定だった
イラク最後の夜
— まさとし@ (@maedamasatoshi) October 19, 2024
バグダッドの旧市街に行ってみた
ナイトマーケットが開かれ地元の人で賑わっている pic.twitter.com/nALP55WmDK
王宮はインドやトルコがモデルとなっていました。街並みはまたモデルとなるところが異なります。
アグラバーの街並みや風景は、イラクの首都バグダッドの予定でしたが、
実際には、レイアウト監督が幼少期に訪れたイランの思い出から制作されました
予定通りイラクをモデルとして使えなかった理由は、
- かつての『アラジン』っぽい街並みが現代的なものに建て替えられたり、
イラク戦争によって瓦礫の山になってしまった - イラク戦争の影響で、視聴者に良い印象を与えないのではないかという懸念があった
という2つの理由があったようです。確かに、あまり良いイメージは持てないと思います。替わりに、レイアウトを担当した監督が、イランのイメージで制作したようです。
ジーニーのモデル⇒ペルシャとインド
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ちなみに、登場人物に注目してみると、
ジーニーのモデルはペルシャとインド
であることがわかります。
ジーニーという名前は、ペルシャ語系で、精霊や妖怪等の超自然的な存在を意味する「ジン」に由来します。
さらに、ジーニーの体が青いのは、インドで信仰されているヒンドゥー教の影響が大きいともいわれています。というのも、シヴァ神(の破壊神)の体は青いのです。
そう言われるとジーニーと似ているような気もします。インドには、人間ではない超自然的なものは青いのだという文化があるのかもしれません。

スルタン王のモデル⇒トルコ
アグラバーでは国王のことを「スルタン(サルタン)」と呼びますよね。意味は「国王」なのですが、狭義では「スルタン」はオスマン帝国(今のトルコ)の王様です。
ということで、王様の呼び名からは、アグラバーはトルコの要素が濃厚であることがわかります。
結局、アグラバーはどこ?
結局アグラバーはどこなのか考察してみると、
- インド、イラク、ペルシャ(イラン)、トルコのごちゃまぜ状態
ということになります。きっちり原作の物語に乗っとるのであれば中国人としてアラジンを描くべきです。
しかし、ディズニーがあえてアラビアン・ナイトという名前に寄せてアラブっぽくしたり、はてはインドの要素も加えているのは、現代の要請に応えたからかな、と思います。
それに、今の時代、「この国はこういう文化であるべき」と画一的に理解するのは危険だと感じます。どの国をとっても、いろんな人種、文化、言語、が混ざり合わさって一つの社会を形成していると思うのです。
うがった見方をすれば、こうやっていろんな文化を受け入れていますよ!白人、西欧文化だけではありませんよ!というディズニーの主張・メッセージとも取れますね(;^_^A
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まとめ
『アラジン』のモデルの国は中国なのか、アグラバーはどこにあるのか、について考察してきましたが、結論としては、
- 元ネタ『千夜一夜物語』の『アラジンと魔法のランプ』の舞台は中国
- アグラバーはインド、イラク、イラン(ペルシャ)、トルコのごちゃまぜな国
ということがわかりました。
今後、ディズニーの実写では、アニメに忠実に再現することよりも(アニメは白人至上主義よりなので)、ポリティカルコレクトネスやそれぞれの人種、文化、立場に配慮したものを制作し続けてほしいですね。