映画『タイタニック』の最後のシーン、ラストシーンの意味を考察します。
とても気になる終わり方でしたよね。最後ローズは死んだのか、それとも夢を見ているだけなのか、見る人によってどう捉えるか異なってくると思いますが、ここでは一気に考察してしまいます。
それでは早速確認していきましょう!
最後のシーン(ラストシーン)を振り返る
映画『タイタニック』の最後のシーンは、2つありました。まず1つ目は、ジャック・ドーソンとの恋物語を語り終えた後、
- ローズがこっそり持っていた「碧洋のハートを海に優しく掘り投げる」シーン
です。
挿入された音楽と相まって、とても切ないシーンでしたね。
もう一つのシーンが最後の最後のシーンで、
- ローズがベッドに横たわり目を閉じると、当時のタイタニック号に場面が変わり、
たくさんの人に祝福されながらジャックとの再会を果たす
というシーンです。
このシーンが最後の追い打ちで、毎回涙なしでは観られません…。思い出すだけでも胸が苦しくなりますが、この2つのシーンを考察してみます。
考察①なぜ碧洋のハートを海に捨てたのか
ジャックへの感謝の気持ちと過去への区切り
年老いたローズが、「はっ」と言って笑顔で碧洋のハートを海の中へ優しく掘り投げると、碧洋のハートは瞬く間に海の底に沈んでいきます。これを観て、とっさに、
- ローズは碧洋のハートをジャックに届けた
のだろうと考えました。今回、この碧洋のハートを探し求めていたトレジャーハンターが、偶然にもジャックが描いた絵を発見し、自分がモデルだと主張したローズがジャックのことについて初めて誰かに語ることになります。
つまり、この碧洋のハートは、ジャックの描いたデッサンを見つけ、ジャックとの大切な思い出を84年越しに初めて誰かに話すきっかけとなったのですね。
また、碧洋のハートは、唯一ローズとジャックをつなぎとめるもの、いわば形見のようなものだったと思います。救出された後ローズは苦しかったであろう生活も、この碧洋のハートを見る度に、当時のジャックとのことを思い出し、何とか踏ん張って生きてきたのでしょうね。
ジャックとの思い出と、ローズ・ドーソンとして生きてきた84年間の人生が詰まった碧洋のハートは、101歳までジャックと約束した自由な人生を生きてきたローズにとって、ジャックのデッサンをもう一度見ることができ、さらに誰かに話を共有できた時点で、不要なものとなったのかもしれません。
もともと、高い宝石を価値あるものと捉える貴族の価値観は、ローズには合っていませんでした。そもそも、ダイヤモンドネックレスである碧洋のハートも、宝石としての価値ではなく、ジャックとの思い出の品として見ていたでしょうね。
考察②ローズは最後に死んだのか?
もう一つの最後のシーンで、ローズはベッドで横になり目を閉じてジャックと再会しますが、このとき、
- 最後、ローズは死んでしまい、ジャックに再会できた
とする考察があります。死んだと考察される根拠はそれなりにありまして、
- ジャックが死ぬ間際にローズに伝えた通りの死に方になっている
- ローズがジャックに再会するシーンに登場する人々は全員船が沈んだ時に死んだ人ばかり
ということが挙げられます。
根拠①ジャックが死ぬ間際に伝えた通りの死に方
まず、ジャックは死ぬ間際にローズに
「君はたくさん子どもを作って、成長するのを見守るんだ。そして、年老いて、老婦人となって、温かいベッドで死ぬんだ。今夜、ここで、こんなふうに死ぬんじゃないよ」
と言って、生き抜くように励ますのです。
確かに、ローズはこの通り、年老いて温かいベッドで眠りについているように見えます。ジャックとの約束を守って天寿を全うして亡くなったのだ、と捉えるとロマンチックですよね。
根拠②祝福してくれる人は全員船とともに亡くなった人たち
また、もう一つの根拠としては、ローズがジャックと再会するシーンで、多くの人から祝福されていますが、全員船が沈んだ時に亡くなった人なのです。それは、タイタニックを設計したトーマス・アンドリュースや、銃で自殺してしまったマードック一等航海士、です。
生き延びたローズの母親や婚約者のキャルは登場しません。つまり、ローズは思い出の人たちが集まる死後の世界に旅だったのではないか、と考察できますね。
考察③ローズは夢を見ているだけなのか?
一方で、同じシーンについて、
- ローズは死んでおらず、夢を見ているだけ
という考察の仕方もできます。その根拠として、
- セリーヌ・ディオンが歌う主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」の歌詞
が挙げられます。
根拠「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」の歌詞
実は、この主題歌の歌いだしが、
Every night in my dreams(毎晩夢の中で)
I see you, I feel you,(私はあなたに会い、あなたを感じ)
That is how I know you go on(そして私はあなたが生き続けていることを知る)
引用元:MY HEART WILL GO ON 歌詞より
となっていて、まさしく「毎晩夢で会う」と言っているのですね。しかも、この曲やメロディーは映画『タイタニック』のために作られ、歌詞も映画のために書き下ろされたものです。
主題歌と映画がリンクしているという大前提に基づけば、かなり信憑性の高い考察になるのではないでしょうか。
ローズが毎晩この夢を84年間見続けていたなんて、そんな考察もかなりロマンチックですよね。
ジェームズ・キャメロン監督の意見
このローズの最後の生死については、ファンも気になるところですので、インタビューでジェームズ・キャメロン監督が質問されたことがあります。
監督の答えは、
- 「亡くなったか生きているかは知らなくていい」
でした。つまり観た人の想像にお任せ、ということですね。
もやもやしてしまいますが、個人的には、ローズは亡くなったのではないかと思います。最後の最後にやっと出会えた、そう考える方がロマンチックじゃないですか(*´ω`*)
『タイタニック』
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まとめ
映画『タイタニック』の最後のシーン、ラストシーンについて、ローズは死んだのか夢を見ているだけなのか、を考察してきました。
- ジャックが伝えた通りの死に方で、亡くなった人ばかりに祝福されているので、
ローズは亡くなった - 主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」の歌詞には、「毎晩夢であなたに出会う」とあるので
ローズは夢を見ているだけ - ジェームズ・キャメロン監督は、ローズの生死について「知らなくていい」という考え
という考え方があることがわかりましたね。どちらの結末でもロマンチックです。何度も観たい映画ですね♪