不朽の名作である映画『タイタニック』は、何度観ても楽しめる作品ですが、ジャックとローズは実在していたのか、どこまでが実話なのか、気になりますよね。
実話の部分と、そうでない部分があるようなので、整理してまとめました!早速確認していきましょう。
タイタニックのジャックとローズは実在?
ジャックとローズは架空の人物
『タイタニック』で最後まで切ない恋愛模様を見せてくれましたが、
- ジャックとローズは実在しない架空の人物
です。ジェームズ・キャメロン監督が、映画のために創ったオリジナルキャラクターです。
ジェームズ・キャメロン監督は、当初タイタニック号の沈没を史実に基づいて忠実に映画化するという企画を立てていたのですが、監督が沈没当時のことを詳細に調査する中で、身分制度があることに着目したそうです。
結果的に、上流階級の少女と下級階級の青年の恋愛を軸とした、タイタニック号の沈没を描く作品へと仕上がったのですね。
ジャックとローズは実在しませんでしたが、実際にタイタニック号にはハネムーンとして乗っていたカップルも多数いたそうです。
映画のように実際には、女性子供から救命ボートに乗った、という事実に基づくと、新婚カップルがタイタニック号沈没で生き別れになった、という話はあったのではないでしょうか。
ローズのモデルは?
The artist Beatrice Wood who James Cameron modeled the character of Rose on in The Titanic pic.twitter.com/I6J3Jx5auz
— Danny Edwards (@dannysdirection) May 5, 2020
ジャックとローズが架空の人物だとすると、モデルは存在したのかどうかが気になります。
ローズという女性を描くうえで、ジェームズ・キャメロン監督がインスピレーションを受けたと言われている人がいます。それは、
- ベアトリス・ウッドさん
です。誰だろう?という感じですが(^^;、ベアトリス・ウッドさんは、
- 1983年3月3日生、1998年3月12日没(『タイタニック』公開翌年)
- アメリカの芸術家
- ダダイズムの雑誌『Blind Man』を創刊し、「ダダイズムの母」と呼ばれる
(ダダイズム:1910年代半ばに起きた芸術思想・芸術運動) - 晩年は陶芸家として活躍
という方です。
ダダイズムの活動が興った当時は、第一次世界大戦の真っただ中で、既成の芸術を一切否定する運動が行われたようです。
タイタニック号当時は、女性の身分も現在のように高くありません。そのような時代に、雑誌を創刊したり、芸術活動を精力的にやっていた女性ということは、かなり志高く、意思の強い女性だったのだろう、と想像します。
最後は自由になって生きようと、前へ進んだローズと重なるような気がしますね(*´ω`*)
ジャックと同姓同名の人物は実在?
ジャックも実在する人物ではありませんが、不思議なことに、
- タイタニックの犠牲者にJ・ドーソンという人物が存在する
ことが、タイタニック公開後に明らかになりました。その方は、ジョセフ・ドーソン、だったのですが、タイタニックファンの中には、この「J・ドーソン」のお墓を訪れる方もいるようですね。
それだけ、実在しているように描いた映画『タイタニック』、恐るべしです。
映画『タイタニック』のどこまでが実話?
映画のストーリーのどこまでが実話?
映画『タイタニック』のどこまでが実話なのか気になるところですが、結論、
ジャックとローズの恋愛に絡む出来事とその周囲の人以外はほぼ実話
です。
つまり、ストーリーの大筋である
- タイタニックが氷山に衝突後、沈没
- 女性子供、一等客室の乗客から救命ボートに乗る
- 死者多数(海で凍死)
は、実話です。さらには、ジェームズ・キャメロンのオタクと言わんばかりのこだわりぶりにより、
- 映画冒頭の海底に沈むタイタニックの映像は実際に海底で撮影
- 内装、シャンデリアなどの調度品、食器は完全再現
と、可能な限り実話に基づいた制作されています。
先程も申し上げたように、ジェームズ・キャメロン監督は、当初史実に忠実にタイタニック沈没を映画化する予定でした。
実話に付け加える形でジャックとローズの恋愛模様を描いたため、それ以外の部分では、かなり史実に基づいて、実在した人物も登場させています。
映画『タイタニック』で描かれた実在の人物
不沈のマーガレット・”モリー”・ブラウン
マーガレット・ブラウンさんは、実在しました。タイタニック沈没時、映画で描かれていたように生存者の捜索のためにボートの船頭に船に戻るよう指示したとされています。
映画では、声をあげたものの、船頭からかなり脅されてしまっていましたが…、周囲の男性よりもうまく現場の指揮を執っており、その功績と勇敢な行動が称えられ「不沈のマーガレット・ブラウン」と呼ばれました。
マーガレット・ブラウン自身は、アメリカのミズーリ州の生まれで、女性の権利獲得に情熱を燃やした女性でした。ブラウン一家は、「デンバー女性クラブ」の創立メンバーとして、教育や慈善活動を通し、女性にも平等な権利が与えられるよう活動をしていました。
タイタニック号に乗船したのは、孫が病気になったという知らせを受けて急遽ヨーロッパ旅行からアメリカに帰るためだったようです。数奇な運命ですね。
船が沈むまで演奏した音楽隊
映画でも描かれていた音楽家たちは、実在し、実際に船が沈むまで演奏を続け、船と運命を共にしました。乗客を落ち着かせるために、最後の最後まで演奏を続ける姿は、映画でも描かれ、心を打たれましたね。
音楽家たちは全員で8人いましたが、そのうちのリーダーであるウォレス・ハートリーさんが弾いていたヴァイオリンが2013年にオークションに出品され、話題になりました。
彼の遺体と共に引き上げられたそのヴァイオリンは、彼の体に縛られた状態だったそうです。流されないように、最後に縛り付けたのでしょうね。引き上げられた後は婚約者の手元に渡り、紆余曲折を経て、オークション出品者の手元に届いたのだそうです。
船と共に沈んだ老夫婦
映画で、船が沈んでいく中、ベッドで横たわり寄り添って最期を迎える老夫婦が描かれていましたが、この老夫婦も実在していました。実在していたことはわかっているのですが、ベッドで横たわっていた点は映画の脚色です。
実際には彼らは救命ボードに乗れたのですが、夫のインシア・ストラウスさんは女性と子どもが全員救命ボートに乗り終えるまで乗らない、と乗らないと断ったのです。
既に救命ボートに乗っていた妻のアイダさんは、ボートを降り、夫のそばにいる決断をします。アイダさんは、コートをメイドに渡し、自分は必要ないから救助されるまで着るようにと伝えたそうです。
そのときの気持ちを想像するだけで、胸が押しつぶされそうですね。
船長エドワード・スミス
船長エドワード・スミスもまた実在した人物です。船長は、これまでにも新造船の処女航海で何度も舵を任される経験豊富な船長で、タイタニック号の処女航海を最後に引退し、隠居生活を送る予定をしていました。
映画では、操舵室にこもり一人で波にのまれるシーンが描かれましたが、事実は不明です。というのも、船長の遺体は引き上げられていません。
生存者の目撃証言も一致しておらず、救命胴衣を身に着けて海に浮かんでいたという意見、救命ボートに乗り込んでいたという意見、また映画のように沈没10分前に操舵室に入ったという意見もあります。
生存説も囁かれるスミス船長ですが、ジェームズ・キャメロン監督は、よりドラマチックな最期を迎えた説を採用したようですね。
タイタニック設計者トーマス・アンドリュース
タイタニックの設計者トーマス・アンドリュースさんも、実在します。映画では、誰よりも早くタイタニックが沈没することに気づき、できるだけ多くの人を救助するように奮闘している姿が描かれていました。
実際のアンドリュースさんも、当時の新聞では英雄として掲載され、その勇姿を讃えられています。
映画と同様に、アンドリュースさんは船と共に命を落としてしまいました。
タイタニック製造会社社長 ジョセフ・ブルース・イズメイ
タイタニックを建造した会社の社長であるジョセフ・ブルース・イズメイさんも実在しています。映画同様に、避難する女性と子どもを差し置いて救命ボートに乗り込んで船を捨てた、として批難が殺到しました。
しかし、のちにイギリス政府の調査では、女性と子どもの批難を最後まで見届けた後にボートの空席に乗った、と弁明されており、真偽はわかりません。
『タイタニック』
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まとめ
映画『タイタニック』に登場するジャックとローズが実在するのかどうか、映画の内容はどこまでが実話なのか、について調べてお伝えしてきました。結論は、
- ジャックとローズは実在しない架空の人物
- ジャックとローズの恋愛以外のできごとはほぼ実話
- 船長や設計士等、実在した人物が多く登場している
ということがわかりましたね。『タイタニック』がかなり史実に基づいた映画であることがわかりました。それを踏まえてもう一度観たいですね♪