【解説】サマーウォーズの花札「こいこい」のルールと意味!おかしいしあり得ないって本当?

細田守監督のアニメ『サマーウォーズ』で取り上げられた花札「こいこい」のルールについて、説明があまりなかったのでついていけず、最後なぜ勝ったのだろう?と思った方も多かったのではないでしょうか?

私もよくわからないまま「こいこい!」と皆と一緒になって叫んで見ていましたが、結局「こいこい」ってどういう意味?ってなってしまいました^_^;

今回は、

  • 花札の「こいこい」というゲームのルール
  • 「こいこい!」と言うときの意味
  • サマーウォーズの「こいこい」がおかしいしあり得ないと言われている理由

についてできるだけ簡単に解説していきます!

ルールを正しく理解して、もう一度『サマーウォーズ』を観ると、より物語の展開を楽しめますよ♪

目次

サマーウォーズの花札「こいこい」のルール

「こいこい」の基本的な流れ

花札にはいろんな遊び方がありますが、人気なのが、この「こいこい」と「花合わせ」というものです。

「こいこい」は、2人で遊ぶゲームです。3人以上ではできませんので注意。

「こいこい」の基本的な流れは次の通りです。

  • 親を決める
  • 手札を配る
  • ゲーム開始(「役をつくる」)
  • 役が作れたら「こいこい」か「勝負」を選択
  • ゲーム終了

それでは、順に解説していきますよ~!

①親を決める

「親」と「子」を決めます。といっても、どちらから先に札を引き始めるのかという順番を決める作業です。

決め方は、「めくり札」ということをするのですが、

裏返して山にした札(山札)全48枚から、2人が一枚ずつ引き、
引いた札の月が早い方(月数が小さいほう)が、「親」
になる

というものです。

花札には、それぞれ1月~12月の月が充てられています。1月の札、とか11月の札、とかがあるわけです。

その一覧については、詳細はこちらのwikiページでご確認ください。その月の早い人が「親」になります。

もし、2人とも同じ月を引いた場合は、得点が高い札を引いた人(つまり光札>カス札)が「親」になります。

②手札を配る

次に、親に決まった人は、

  • 相手に8枚(裏向き)
  • 場に8枚(表向き)
  • 自分に8枚(裏向き)

を配ります。残った札は山札として裏向きで置いておきます。

③ゲーム開始(役を作る)

まず、

場と同じ月の札が、自分の手札の中にあったら、
手札をパシッと出して、場の札と共にゲット

というのが、ゲームを進めるうえでの基本です。これを親と子が交代で行います。

自分の手札を場の手札と合わせてゲットしたら、場に補充するために山札から一枚めくって場に置きます。でももし、山札から取った札も場に同じ月の札があれば、一緒にゲットできます。

もし、場に自分の手札と同じ月のものがなかったら、札を合わせることはできないので、そのまま札を場に捨ててください。

どんどん自分の手札と場の札を合わせて取っていく目的は、
「役(やく)を作る」ため

です。手にした札で、役(札の組み合わせ)を作りましょう!

ちなみに、自分が取った札は相手にも見えるように置いておいてください。

詳しい役は、こちらのwikiページに一覧があるので、ご確認ください。

夏希が作っていた役

夏希がラブマシーンとの対決のときに作っていた役を振り返ってみると、

  • 三光:「柳に小野道風」を除く光札3枚
  • 猪鹿蝶:「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の3枚
  • 赤短:松・梅・桜の短冊3枚
  • 雨四光:「柳に小野道風」を含む光札4枚
  • 五光:光札5枚(光札すべて)

というものでした。

それぞれ役があるので、それを揃えるために、相手が取った札、場の札、自分の手札を見比べ、相手の役作りを妨害しながら自分の役を作っていくという、非常に戦略的なゲームでもあります。

役が作れたら、基本的に勝利なのですが、そのまま勝負を終える「勝負」か、「こいこい」かを選択できます。それについては次で解説します。

「こいこい!」の意味は?

ルールとしての意味

役が作れたら、次は

  • 「勝負」=この役であがり!
  • 「こいこい」=さらなる得点加算を狙って次のターンまで待つ!

のどちらかを選び、「勝負!」あるいは「こいこい!」と相手に宣言します。

ここが「こいこい」というゲームでのハイライトでおもしろい点ですね。駆け引きが必要になってくるわけです。

自分がまだ強い役を狙えそう、あるいは別の役を作って得点加算できそう、という見立ては、相手が取った札や自分の札、残りの山札などを見ながら計算します。

しかし、当然「こいこい」は非常にリスキーです。相手の番で、相手が役を作り勝負されてしまうと負けますからね(^^;一回一回真剣勝負です。

ですので、

夏希は何度も「こいこい」をすることで、めちゃくちゃハイリスクな賭けに出ていた

ということです。世界中の何億ものアバターを背負って、かなりのプレッシャーだったと思います。しかし、そのおかげで、最強の役「五光」を最後引き当てて、見事ラブマシーンに勝利しました。

決め台詞的な意味

「こいこい」には、ルール以外に、もう一つ意味があると思います。それは、

世界中の人と「つながる」ためのキーワードとしての「こいこい」

です。

『サマーウォーズ』では、OZを利用する世界中の人が、ラブマシーンと勝負する夏希を応援していました。世界各地の人たちがスマホやパソコンを見ながら「こい!」「こい!」と声をかけるシーンでは、観ている側も「こい!」と一緒に叫びたくなり、「世界とつながっている」感覚を味わえるシーンではないでしょうか。

これは、世界とのつながり、家族とのつながり、をテーマにした作品『サマーウォーズ』において、映画を鑑賞している側にも「つながり」を意識させる一つのキーワード、決め台詞として「こいこい」があるとも考えられます。

むしろ、この「こい!」のシーンを作るために、ラブマシーンとの最後の勝負は「こいこい」にしたのではないか、とさえ思えますね。

ちなみに、この「こいこい」とは対照的な決め台詞が「よろしくおねがいしまああああす!」ですよね。この意味についても考察しましたので、よろしければどうぞ。

こいこいシーンがあり得ない・おかしいと言われる理由

夏希の役がありえない確率

先ほどご紹介したように、夏希の上がり札は次の通りでした。

  • 三光:「柳に小野道風」を除く光札3枚→「こいこい!」
  • 猪鹿蝶:「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の3枚→「こいこい!」
  • 赤短:松・梅・桜の短冊3枚→「こいこい!」
  • 雨四光:「柳に小野道風」を含む光札4枚→「こいこい!」
  • 五光:光札5枚(光札すべて)→上がり

こんな流れでした。

一つのゲームでこれほどの札が出るのは、まずあり得ない

です。もう、0.01%あるかないかくらいの確率を言われています。奇跡としか言いようがないです。

花札をやってみるとわかりますが、猪鹿蝶揃えるだけでも大変です^_^;相手に「これさえ取れたら役がそろうのに!
」という札を取られて、妨害もされますからね。

そう考えると、

賭け事好きのラブマシーンが、こいこいに限っては弱すぎる

というのも、おかしな話です。運が夏希に味方したのでしょうね…ここは映画なので、と言うことにしておきましょう。。。

そういえば、『サマーウォーズ』のこいこいルールは、「カジノルール」が適用され、こいこい1回毎に得点が倍になる、というルールでした。

だから夏希はこいこいを連発したわけですが、もしかしたら映画の中では説明されなかったルールが他にもあったのかもしれません。例えば、毎回こいこい事に札をリセットする、というルールがあれば、まだ夏希の札の確率はもう少し上がるかもしれませんね。

世界中が花札を知ってるのはおかしい

世界中の人が自分のアバターを夏希に預け、「こい!」と叫ぶシーンは印象的ですが、そもそも

世界中の人が花札を知っているのはおかしいのでは?

という指摘がされることがあります。

そもそも、日本人でも最近では花札のルールを知っている人が少ないですよね。私は家族と昔からやっていたので少し知識はあるのですが、花札で遊ぶ機会は最近の日常ではほぼないと思います。

そんな中で外国人がルールを理解できるのか、というのは確かに疑問ですが、そもそも舞台は仮想空間OZです。世界中の人がアバターを作って、行政手続きやらいろいろやるところですよね。

仮想空間のゲームも、世界中の人たちが隔たりなく繋がれるように工夫されているはずなのです。ここは想像ですが、言語しかり、ルールも簡単に解説してくれるような仕様になっているのではないでしょうか。

花札は英語でhanafudaですし、こいこいはkoi-koiなので、「こいこい!」と皆で叫ぶこと自体は容易なはずです(*^^*)

まとめ

細田守監督のアニメ『サマーウォーズ』に登場する花札の「こいこい」というゲームのルールと意味について解説してきました。

  • 「こいこい」は花札の2人ゲーム
  • 役が完成して「こいこい!」と宣言すると、上がらずにゲーム続行するという意味
  • 「こいこい!」には映画の決め台詞という意味もある
  • 夏希の上がる確率があり得ない
  • 外国人も花札「こいこい」を知っているのはおかしい

ということでしたね。花札やりたくなってきましたー(*´ω`)

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