大人気アニメーション映画の細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』のあらすじをネタバレとともに解説します!
最後のシーン、結末もしっかりネタバレしてお届けします。
感想がそれぞれいろいろあってヤバいです!楽しめること間違いなしです♪
それでは早速見ていきましょう!
『おおかみこどもの雨と雪』の作品情報
『おおかみこどもの雨と雪』の作品情報です。
『おおかみこどもの雨と雪』
公開当時は母親である花が、聖母の様でいて幼さ過ぎる印象を受けた。しかし見返せば見返す程、この作品の優しさに包まれる様に本作が近づいてくる。
細田守が描いたあの「13年間」は、雪、雨、そして花が見たそれぞれの景色と想いで心に刻まれて行く。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/PKCDrs5TxX— レオナ (@ClockworkReona) July 21, 2018
- 作品名:おおかみこどもの雨と雪
- 公開日:2012年7月21日
- 制作国:日本
- 上映時間:117分
- 監督・原作:細田 守
- 制作会社:スタジオ地図
- 声優キャスト:宮﨑あおい、大沢たかお、黒木華、
西井幸人、平岡拓真、菅原文太 - 主題歌:アン・サリー『おかあさんの唄』
- 音楽:高木正勝
動員数は341万人、興行収入は42億円!2012年に公開された邦画では第5位の興行収入でした。これはかなりの好記録。
作品の評価もしっかりされており、「第36回日本アカデミー賞・最優秀アニメーション作品賞」等の数多くの映画賞を受賞しました。また、声優陣が豪華であることでも盛り上がりましたね。
『おおかみこどもの雨と雪』のあらすじをネタバレ解説
おおかみこどもの雨と雪の、
すごく悲しいシーンを眠る前に見てしまったが為に、明日の顔面に支障が出そうじゃな………🌝 pic.twitter.com/SFNr36TRdE— 伊藤 (@noranekokure) June 18, 2021
「雪」が語る母の物語
本作は、「雪」という女の子が語りを担当し、自分の母親についての物語を話します。
タイトルは『おおかみこどもの雨と雪』なのですが、この作品の本当の主人公は、母親の「花」なんですよね。
娘の雪が、母である花の半生を語ります。
花と「彼」との出会い
花は、国立大学に通う大学生です。ある日、大学の講義中に、他の学生とは雰囲気の異なる男と出会います。
襟のよれたTシャツを着て、真剣に講義を聞いてはひたすらメモを取る姿に興味をひかれた花は彼に声をかけると、彼はもぐりの学生として聴講しているだけで、学生ではないのでした。
それがわかってからも、花は彼と一緒に勉強をしていくことになります。
花には親も友だちもおらず一人ぼっちで勉強していましたが、彼もまた学費は奨学金で、生活費はアルバイトの掛け持ちでなんとか工面していました。
どこか、共通点を感じられたのでしょうね。いつしか2人はお互いに惹かれ合い、恋に落ちました。
彼は花に「花」という名前の由来を尋ねます。花は、
- 花が生まれたときに、庭にコスモスが咲いていた
- 植えたものではなく自然に咲いたコスモス
- 父がそれを見て「花のように笑顔を絶やさない子に育つように」と思い名付けた
- 「つらい時、苦しい時、とりあえずでも無理やりにでも笑っていろ、そうしたらたいてい乗り越えられるから」と。
というエピソードが語られましたね。花はその言いつけを守って父のお葬式のときにずっと笑っていたそうですが、親戚から「不謹慎だ」と怒られたことも花は語ります。
しかし、彼は「不謹慎じゃない」と答えるのでした。
この「とりあえず笑っている」「笑顔」というのは、この作品でのテーマとなり、花が笑っているシーンというのはかなり多いです。
2つの新しい命と突然の死
ある日、花は彼と待ち合わせしていましたが、夜遅くになっても彼は現れません。
やっとのことで彼が表れたのは、店も閉まって寒り深夜の時間でした。しかし、花は笑っています。
彼はそんな花を見て、自分が「おおかみおとこ」であることを告白。少しずつ体が変化して、長い毛が首周りに生え、指も鼻も長くなり、すっかり姿はオオカミになりました。
花は驚きましたが、ありのままの彼を受け入れます。
2人が結ばれるときの会話、
- 彼「怖い?」
- 花「怖くない。あなただから」
は、名ゼリフですよね。
その後、2人には、雪が降っている日に生まれた「雪」という女の子と、雨が降っている日に生まれた「雨」という男の子を授かります。
おおかみこどもで、姿がオオカミになったり人間になったりするので、花は病院にも行かず自宅でひっそり産むんですよね。すごい…。
しかし、2人がまだ幼いある日、突然父親の彼の姿が見えなくなりました。花が探しに外に出ると、近所の川でオオカミの姿で亡くなっているのを発見します。
アパートの扉の前にはビニール袋いっぱいに詰め込まれた食べ物と彼の財布、免許証が置かれていました。語りの雪は、
その日、父が何を考えていたのかわかりません。赤ん坊のために狩りをする本能が働いたのかもしれませんし、産後すぐの母に滋養のあるものを食べさせたかったのかもしれません。
と語っています。
原因は不明ですが、花は「任せて。ちゃんと育てる」と免許証の彼に語り掛けて、1人で2人の子どもを育てる決心をします。
里での新しい暮らし
おおかみこどもを育てたことがない花は、育児のため大学を中退せざるを得ず、独学で知識を得ながら育てていました。
しかし、狭いアパートでは、雪と雨が遠吠えをするので騒音で近所に迷惑をかけたり、人目につかないように外出するのが大変だったり、おおかみこどもであることがバレることを防ぐためか、定期健診も受けさせていないため虐待を疑って児童相談所まで来る始末。
何かと苦労が多い都会暮らしだったため、花はおおかみこどもをのびのび育てられるように思い切って田舎の里に引っ越します。
かなりの田舎で、近所といっても車で移動するレベルです。この里の人たちは、花や雪、雨を助けてくれました。花も一生懸命畑づくりに精を出します。
雪は活発な女の子に成長し、里を走り回っていましたが、ついに小学生に上がります。花に教えてもらった、オオカミにならないためのおまじない「おみやげみっつたこみっつ」を唱えて入学しました。
一方、雨はひ弱な男の子で、新しい里での環境に「もう帰ろう」と泣きそうになりながら言ったり、猫と戦って傷だらけになってしまったり…。
不安になるたびに花に甘えてきましたが、一方で「なぜオオカミは絵本のなかでいつも悪者なのか?」という質問を花に投げかけるなど、観察力が鋭い面もうかがえます。
子どもたちの葛藤と成長
雪は、小学校に上がると、自分とほかの女の子の違いに気づきます。雪はヘビを腕に巻き付けたり、宝箱に小動物の骨や爬虫類の干物を入れていましたが、他のお友達はそんなことしないんですよね。
それに気づいた雪は、周囲に馴染もうと必死に女の子らしく振舞おうとします。
花が塗ってあげた青いワンピースにはかなり助けられたと雪も語っていました。弟の雨は1学年下で入学しますが、雪はからかわれている弟を守る強い姉でもありました。
しかしあるとき、転校生の草平に「ケモノ臭い」と言われショックを受け、しつこく付きまとう草平に対して、雪はおまじないを唱えていたものの我慢できずオオカミに変身し、草平を引っかいてしまいます。
この一件でいっときは学校に行けなくなりますが、草平のおかげで再び学校に通えるようになりました。
さて、雨は小学校に上がりますが、あまり馴染めず、逆にどんどん山のほうに惹かれていきます。雨は、近所の山の主であるキツネを「先生」と呼び、学校には行かず山に入ることが多くなります。
そして、
- 「先生」が足を悪くして、そろそろ引退しなければならないこと
- 誰かが「先生」の代わりを務めなければならないこと
と花に語ります。花は、雨が山に入ってしまうことに不安を覚え、雨が山に行くことを禁じてしまいます。
『おおかみこどもの雨と雪』の最後・結末
ある記録的な大雨の日のことです。
大雨のため、小学校ではそれぞれの親に迎えに来てもらうことになりました。しかし、雪の母親と草平の親もなかなか来ず、いつしか2人きりになってしまいました。
実は草平の母親には再婚相手がおり、その相手との子どもを妊娠しているという話が草平から語られます。草平は、いつか自分は要らなくなる、と寂しい表情をするのです。
雪は、このときに自分がおおかみこどもであることを草平に明かします。しかし草平は、
- 「わかってたよ、ずっと」
- 「雪の秘密は誰にも言っていない、言わない。だからもう泣くな」
という男前なセリフを言います。雪にははじめて家族以外の理解者が得られたのでした。
一方そのころの花と雨はというと、雨が大雨の中、一人で山に入ったことを知った花は、雨を連れ戻すため山に入り、必死で探します。
しかし、ある時花は足を踏み外し、体力的にも限界で、気を失ってしまいました。そんな花を助けたのはオオカミに変身した雨でした。
安全なところに助け出された花は、山に帰っていこうとする雨の後ろ姿に「まだ私何もしてあげれてない」と語りかけます。
雨は何も言わず、山の断崖を駆け上がり、頂上についてたところで遠吠えをするのです。花はその姿を見て、笑顔になり「しっかり生きて!」と叫びます。
雨は山の主の代わりとなってオオカミとして生きることを決意し、雪は人間として生きることを決め、中学校に上がってからは寮に入るため家を出ました。
花は相変わらず田舎の大きな家に一人で住んでいます。
『おおかみこどもの雨と雪』の感想
『おおかみこどもの雨と雪』を観た人の感想を見てみましょう!
雨がオオカミになるのが悲しい
おおかみこどもたちの成長は、この作品の見どころでもあるのですが、同時にあまりにも早く成長してしまうので、寂しい思いをした人も多いのではないでしょうか。
特に、雨がオオカミになってしまうときに叫んだ「まだ何もしてあげれてない」という花のセリフに共感して号泣でした( ;∀;)
たった10歳で山で一人で暮らしていくなんて、親としては不安しかないです。でも同時に受け入れ化ければという思い( ;∀;)
母の強さに感動
母親である花の強さが際立つ映画でした。
おおかみこどもであるからこそ、子離れがわかりやすく描かれていましたが、人間でも子離れは大きなテーマですよね。親として、自分の本心よりも子どもの決断を応援できるのは強いな、とつくづく思わされましたね。
とにかく泣ける
とにかく泣けるという感想がかなり目立ちました。
思い切り泣きたいときに見るのをお勧めしたい映画です。
まとめ
『おおかみこどもの雨と雪』のあらすじをネタバレありで、最後と結末も含めて解説してきました。
感想も実にいろいろありましたが、「泣ける」という感想が多かったですね!感動できるアニメーション作品として、多くの方にオススメしたい映画です。