思い出のマーニーは何を伝えたい?意味が分からない部分を解説

思い出のマーニー 何を伝えたい 意味が分からない 解説

ジブリ映画『思い出のマーニー』はイギリスの児童文学が原作になっています。

とても複雑なストーリーで、一回映画を見ただけでは理解できない部分が多いです。

実際に「ストーリーが難解」「意味不明」などの声が多数聞かれています。

そこで今回は

  • 思い出のマーニーは結局何を伝えたい?
  • 思い出のマーニーは意味が分からない!

について考察していきます。ネタバレを含む可能性がありますのでご注意ください。

目次

思い出のマーニーは結局何を伝えたい?

結論から申し上げて、

3つのことをテーマにしている

と考えます。

では、順番に説明していきます。

伝えたいこと1:人は誰でも愛されている

主人公、杏奈は12歳の女の子です。幼いころに両親を亡くし、今の両親のもとに引き取られてきました。

自分の殻にこもりがちな杏奈は学校の同級生ともうまくなじめていません。

そんなある日、自身を養育することで義両親が補助金をもらっていることを知ってしまいます。

「自分をひきとったのはお金のためだったのではないか」

今まで愛されていると思っていた杏奈は、自分が本当に愛されているかわからなくなってしまいました。杏奈は親というものは子供に対して無償の愛をささげてくれるものだと信じていました。

お金をもらっていたという事実は、杏奈にとって今まで受けていた愛情が金銭によって発生したもの=偽りの愛情だと感じてしまったのです。

しかし、いくら補助金を受け取ったとしても、血のつながりのない子供を引き取って育てるのはとても大変で、生半可な考えでできることではありません。

そこには確かに杏奈に対する義両親の確かな愛情があるのです。

マーニーと出会ったことで、杏奈は義両親の愛情を疑った心を改めていくのです。

避暑地のおじさん・おばさん宅で見た、幼いころの自分の写真には、義両親からの愛情を受けて屈託なく笑う杏奈が写っていました。

杏奈は「自分は確かに愛されている」と思い出していくのです。

伝えたいこと2:誰でも辛いことを抱えている

杏奈は自分が輪の外側にいる人間、と感じています。

普通に両親のもとで愛されて育った子供は輪の内側の人間。

両親を亡くし、お金のために義両親に育てられている自分は輪の外側にいる。

多感な思春期の頃は、誰しもそんな風に他者と自分を比較して、こんな風に感じたことがあるのではないでしょうか?

杏奈があこがれる美しい少女・マーニー。

大きなお屋敷に住み、誰もが憧れるような生活を送っているように見えるマーニーですら、家族からの愛情は受けていませんでした。

人は他人には辛い部分を見せようとしないものです。

辛い部分が見えないから、「あの人は幸せそうでいいな」「自分は不幸だ」と比べてしまうのですね。

しかし、

誰しも悩みや苦しみを抱えて生きている

マーニーに出会って、杏奈はそのことに気が付くのです。

伝えたいこと3:前向きに生きていくこと・許すことの大切さ

いつも表情を無くし、殻にこもっている杏奈と違い、マーニーは明るく生きていました。

どんなに辛くても、前を向いて明るく生きる

マーニーはこの気持ちを忘れないようにしていたのではないでしょうか。

また、自分を置いて死んでしまった両親や祖母に対する怒り、補助金をもらっていた義両親への怒り。

マーニーと出会い、人を許す、ということを杏奈は知っていきます。

杏奈が精神的に成長し、心の傷が癒えた証拠でもあると言えましょう。杏奈はマーニーに出会って、自分の考え方を改めていくのです。

思い出のマーニーは意味が分からない!

ここでは、思い出のマーニーが難解、意味が分からない、と言われる理由を挙げていきますね。

理由1:ストーリーが全体的に暗い

スタジオジブリ作品のヒロインは明るく前向きな主人公が多いです。

しかし、杏奈は暗い、いつも鬱々としています。

杏奈は本当の両親を事故で無くし、愛してくれた祖母も病気で亡くなっています。

持病の喘息もあり、なかなか人に心を開くことが出来ません。

『天空の城ラピュタ』のシータも両親はなくなっていましたし一人暮らしでしたが、前向きで優しい完璧なヒロインでした。

しかし、完璧すぎて共感はしにくかったです。

暗いと言われるかもしれませんが、杏奈の方が感情移入できる、等身大のヒロインのような気がします。

ストーリーに派手さはありませんが、美しい風景と抑えた演出で見る人が落ち着いた気持ちで鑑賞でき、思春期だったころの気持ちを思い出せるような作品だと感じます。

理由2:ストーリーが複雑

ストーリーが難解なのも意味不明と言われる理由の一つです。

マーニーがいったい何者なのか、
現実なのか夢なのか、
伏線も多く一度では納得できません

マーニーと杏奈が会っている時間も夢なのか妄想なのか、はたまた現実なのか。

これらがはっきりしないままストーリーが進んでいくので、見ている方は若干置いてけぼりを食らったような気になります。

ここで見るのをやめてしまった人も多いみたいです。

後半に伏線回収されるのですが、その回収も見る人個人の解釈に委ねられる場面も多く感じます。

愛情の形は一つではありません。

映画の解釈も見る人によってたくさんの答えがあればいいと思います。

あえてはっきりとした答えを出さずに、杏奈の心の成長を描いた名作だと個人的には思っています。

ジブリ映画だから明るい作品を期待して、気軽に見てしまうと色々考えさせられる映画になっていますね。

『思い出のマーニー』
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まとめ

今回は「思い出のマーニーは何を伝えたい?意味が分からない部分を解説」について考察してきました。

結論として

  • 思い出のマーニーが伝えたいことは
    • 人は誰でも愛されている
    • 誰でも辛いことや苦しみを抱えている
    • 前向きに生きること・人を許すことの大切さ
  • 意味が分からないと言われている理由は
    • ストーリーが全体的に暗い
    • 伏線が多く、ストーリーが難解

と考えられました。

『思い出のマーニー』は思春期の今を生きる若者にも見ていただきたい作品ですし、大人になった今でも落ち着いて鑑賞できる良作だと感じます。

是非、今回の考察をもとに『思い出のマーニー』をご覧になってはいかがでしょうか?

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