ディズニーの不朽の名作『リトルマーメイド』が2023年6月9日に実写映画として公開されます!
待望の実写映画化ですが、ヒロインのアリエルを黒人女性が演じることに世界中で物議をかもしているのはご存じでしょうか?
そこで今回は、
- 実写版リトルマーメイドに黒人が起用されたのはなぜ?
- リトルマーメイドの黒人起用はポリコレ?どういうこと?
- リトルマーメイドの黒人起用に海外の反応は?
- 実写版リトルマーメイドこアリエルが黒人なのがひどいしおかしいと言われる理由は?
について考察していきます。ネタバレを含む可能性がありますのでご注意ください。
実写版リトルマーメイドに黒人が起用されたのはなぜ?
波のようなガウンを羽織った海のプリンセス、ハリー・ベイリー。#MetGala #MetGala2023 #メットガラ pic.twitter.com/FObvIgSPoc
— フロントロウ | グローカルなメディア (@frontrowjp) May 2, 2023
実写版『リトルマーメイド』のヒロイン・アリエルにハリー・ベイリーさんが選ばれたのには3つの理由があると考えます。
まず、ハリー・ベイリーさんのプロフィールをご紹介していきます。
- 本名:Halle Lynn Bailey(ハリー・リン・ベイリー)
- 出身:アメリカ合衆国ジョージア州
- 生年月日:2000年3月27日
- 年齢:23歳
- 職業:歌手・女優
ディズニーがアリエルにハリー・ベイリーさんを起用した理由について考えていきます。
理由①:圧倒的歌唱力
批判ばかりじゃ駄目だからアリエル役のハリーベイリーさんの歌声とか聞いてみたら、メチャクチャいい声で彼女歌うんですよ…
— イノケン (@NakedSnake1117) March 1, 2023
本当に… pic.twitter.com/9IPpQJ9ktN
ハリー・ベイリーさんは幼いころに父親であるダグ・ベイリーさんに作曲について教わりました。
また、ギターはYouTubeをみて独学で学んだそうです。
ハリー・ベイリーさんは実の姉であるクロイ・ベイリーさんと共にデュオ「Chloe x Halle」を結成し、R&B歌手として活動しています。
そんな2人が注目されるきっかけとなったのが、2013年12月23日にYouTubeに公開した、ビヨンセの「Pretty Hurts」のカバーでした。
2018年にデビュー曲アルバム「The Two of Us」をリリース、その年のベストR&Bアルバムに選出されました。
その後61回グラミー賞では最優秀新人賞にノミネートされる確かな歌唱力の持ち主で、アリエルにふさわしいと判断されたのでしょう。
理由②:確かな演技力
今日も今日とて、アリエル役のハリーベイリーちゃんが討論の的になっていますが。
— アオチビン😇アートと服 (@vin_AViandCO) July 6, 2019
実写版リトルマーメードの良し悪しは見てから判断するにして。
ハリーちゃんとユニットを組む姉のクロエちゃん。
めっちゃギャルくて可愛いインスタをフォローするべし。 pic.twitter.com/Ze6RjQHF4n
次の理由として、ハリー・ベイリーさんがもつ演技力が挙げられます。
ハリー・ベイリーさんは幼いころからいくつかの映画に出演しています。
ディズニーオリジナル映画『Let It Shine(レット・イット・シャイン)』では聖歌隊の女の子を演じており、歌声と確かな演技を披露しています。
ハリー・ベイリーさんは実力でオーディションを勝ち抜いて見事アリエル役を射止めました。
幼いころから磨いてきた演技力でアリエルも見事に演じられそうですね。
理由③:多様性
人間版『リトルマーメイド』のアリエル役にハリー・ベイリーという歌手が抜擢されたことに批判してる人がいるがそんなアカンのかね?歌の上手さでブッキングされたんちゃうのん?劇団四季のリトルマーメイドもアリなんだから肌の色的なやつは別にアリなんでは。ホワイトウォッシュとかなら問題だけど。 pic.twitter.com/D8Sbg4mgrD
— ぶたお@もてラジ (@kentlow) September 11, 2022
3つ目の理由として、多様性が挙げられます。
ここ数年、人種間での多様性に関して様々な話題があがっています。
アカデミー賞も候補者が白人ばかりだったことから「白すぎるオスカー」など揶揄されたことが記憶に新しいのではないでしょうか?
次の項でも説明しますが、有色人種にたいする差別に向き合った結果、黒人女優のハリー・ベイリーさんが選ばれたのではないでしょうか?
リトルマーメイドの黒人起用はポリコレ?どういうこと?
リトルマーメイドの実写でアリエルがハリーベイリーに決まった事で黒人やらなんやら批判的な声が多いみたいだがまあ大丈夫だ。公開されたらきっと歌声に魅了されさらにディズニーの世界観で絶賛の声に変わる。
— ヨルノルカワ (@YorunoRukawa) July 4, 2019
それがディズニーマジック pic.twitter.com/rPSwcOeY12
今回のポリコレ批判
ポリコレとは、ポリティカル・コレクトネス(political correctness)
の略称です。
特定のグループに対して差別的な意味や誤解を含まぬよう、政治的・社会的に公正で中立的な表現をすることを意味します。
今回のアリエル役に黒人であるハリー・ベイリーさんを起用したことが、行き過ぎたポリコレであると思われているようです。
人種差別がなくなるのはとても大事なことです。
しかし、行き過ぎた思想を映画などのエンタメ作品にねじ込むのはいかがでしょうか?
原作に対するリスペクトが失われてしまう恐れもあります。
もちろんハリー・ベイリーさんはとても素晴らしい女優でまったく悪くありませんので、彼女が非難されてしまうのは痛ましいことだと思います。
ポリコレとはなにか、誰のためになんのためにするべきか、ということをもう一度見直したいですね。
アリエルが黒人である意味
ここからは全くの私見ですが、ポリコレ批判について言いたいことがあります。
ディズニーアニメで白人として描かれてきたアリエルが実写版で黒人になる意味について、ポリコレ的な要素が近いのは事実です。最近のディズニーは、「多様性」をかなり意識した配役をしてきました(実写版「アラジン」もそうです)。
また、ディズニーを見て育ってきた世代にとっては「アリエルは白人」というイメージが強いですし、ディズニーアニメに関わらず何のアニメやマンガでもそうですが、実写化されるときには「原作に忠実にしてほしい」という要望があるのも事実です。
しかしながら、「そもそも」、ディズニーが創り出したアニメは、長らく「人種差別的」であったし、主人公はおおよそ「白人」でした。最近になってこそ、アジア系だったり、ヒスパニックだったり、黒人だったりの主人公が登場していますが、もっともっと昔、それこそ『白雪姫』や『リトルマーメイド』、『美女と野獣』、『シンデレラ』、なんでもそうですが、皆さんの「ディズニーと言えば」で思い浮かべる作品はだいたい「白人プリンセス」が登場するものなのではないでしょうか。(アラジンのジャスミンも人気プリンセスの一人ですが、アラジンはアラジンで、アラブ民族に対する差別的表現が含まれるので、それはまた別の話…)
ディズニーはご存じのように、多くの方が幼少期から見るアニメですよね。我々は幼少期から見るものの価値感にとても影響を受けます。プリンセスとして白人が主流だと、「やっぱり、メイン(主人公)になり得るのは白人で、アジア系や黒人は脇役なのだ(そうあるべきだ)」という価値観を生み出しかねないのです。というか、我々はそういうメッセージを自然と受け取ってしまうのです。
これは、ひいては、現実世界の構図も「白人が主で、そのほかの人種は脇であるべき」という価値観を植え付け得る危険なものだと思います。
今回、アリエルが「やや強引に」黒人になったのは、そういった白人至上主義的な価値観を打破する目的もあると思います。「原作に忠実じゃない」とか「アリエルは白人のイメージなのに」とかそういった話とは、まったく別次元の問題を扱っているのです。
われわれ日本人は、多くが同じ民族・人種の同質性の高い集団で育ってきていますから(実はそうじゃないことも多いのですが)、どうしても人種差別への感覚は鈍くなりますが、ディズニー作品が発信するメッセージがどのように子どもに影響を与えるのか、少し考えてみるのも、今回の作品を気に考えてみてはよいのではないでしょうか。
「人魚」と言われて思い浮かべるのは、やっぱり白人ではないでしょうか…?それってやっぱり、この幼少期から馴染みのある「リトルマーメイド」の「せい」じゃないでしょうか?でも、誰も本物の人魚なんて見たことないのに、不思議ですよね。
また、いつも奇妙に思うのですが、日本で外国が舞台の作品が描かれるとき、なぜかいつも主人公は白人じゃないでしょうか。(『進撃の巨人』、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、『約束のネバーランド』など、挙げるときりがありません。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』なんて黒人は一人も出てきませんよね…もはや存在しないかのようです。)
私たちは自然と、「外国では白人が主人公であるべきだ」というメッセージをいろんなところから受け取って育ってきたと思います。なんとなく黒人が主人公の作品は、どこか描きにくさ、想像しにくさを感じるのはなぜでしょうか。私たちが住む世界には、白人以外にもたくさんの人種の人が住んでいるのに。というか、人数規模で言うと、白人以外の人種(アジア系やヒスパニック)の方が多いのに…。
そうやって私たちは今まで生きてきた中で見たものや聞いたものに「洗脳されて」、勝手なイメージを作り出しているのです。ディズニーほどの影響力のある作品が発信するメッセージがいかに影響力が大きいか、想像に難くないと思います。
リトルマーメイドの黒人起用に海外の反応は?
ハリー・ベイリーさんがアリエルに起用されたことで、海外では疑問や否定的な反応が多いようです。
実写版のリトルマーメイドのアリエル役にゼンデイヤが候補に上がってたのにハリーベイリーになったの〜、なんだかちょっと残念🧜♀️ pic.twitter.com/6KZNQ2q7OG
— しむたん 潜水済 (@usyan_kapi) July 12, 2019
なぜ今回の実写版リトルマーメイドのアリエルが黒人なんだろうか。差別とかそういう事じゃないんだよ。なぜ海の中で生活してるはずの人魚の肌が黒いんだよ。日焼けしねえだろ。それもう無理があるだろ。赤髪じゃなくなんで黒髪天然パーマくりくりなんだよ?ポリコレも度が過ぎたら本末転倒だよ。 pic.twitter.com/iRe2jHOYKg
— 黒戌仁ॐ∴クロ戌∵ 9′s (@kuroinutarot) April 17, 2023
実写版リトルマーメイド。
— アリアドネの糸 (@nire__trashcan) May 22, 2023
黒人起用するのはまぁ良いけど、ブスなのがアカン。
誰がわざわざ金払ってブスの恋愛の行く末観たいんだよ。
どうでも良いよブスの恋模様とか。
ポリコレに配慮しないと死ぬ法律とか制定された?
あとブスの中でも魚顔系ブスを起用してる辺りに悪意を感じる。#ポリコレ pic.twitter.com/dq3rHGvsEg
実写版リトルマーメイドのアリエルの人選は明らか白人差別だけどな
— ら (@AAAAAArmin) May 22, 2023
白人?として描かれてアリエルがポリコレ案件で黒人が演じてて見る気無くなったヨ
見に行かない
ですが、ハリー・ベイリーさんを擁護するような声も多数あがっています。
実写リトルマーメイド、アースラがメリッサマッカーシー、フランダーがジェイコブ君、スカットルがオークワフィナとライトな被り物すればそのままの顔でいけるんじゃね?(褒め)くらいイメージまんまのキャスティング展開からの〆のアリエルにアフリカ系アメリカ人のハリーベイリー、センス斜め上最高 pic.twitter.com/cyFz2wRNo9
— グラ△ (@portesan51) July 4, 2019
オタクって「ポリコレつまんねえ」「ポリコレは売れない」ってめっちゃ言うけど、そうか??って思う。リトルマーメイドとか美女と野獣みたいなポリコレ的"自立したプリンセス"めちゃくちゃヒットしとるやんけと。結局のところ、自分たちが新しい価値観に移行出来なくて拒絶反応示してるだけという説。
— ちぇりぽん (@korila_otaku) May 22, 2023
原作のアリエルと比較して、イメージと違った!というのが主な意見のようです。
実写版リトルマーメイドこアリエルが黒人なのがひどいしおかしいと言われる理由は?
ていうかそっくりじゃんハリー・ベイリー#リトルマーメイド #アリエル pic.twitter.com/ttdudAjz8e
— 糸雀 (@kanatoto33) July 17, 2019
ズバリ、アニメ映画『リトルマーメイド』のアリエルのイメージが強いからではないでしょうか?
アニメ版のアリエルは白人の若い人魚です。
アニメ映画『リトルマーメイド』はとても人気がある作品で、ディズニー100周年を迎える全世界待望の『リトルマーメイド』の実写映画化に対する期待は大きかったものと感じます。
どんな女優がアリエルを務めるのか、世界中の注目の的だったのではないでしょうか?
多くの人はアニメ版のアリエルが白人だったために、実写映画でも白人女優が演じるものと思い込んでいたところがあるのではないでしょうか?
どんなに才能や実力があっても肌の色が違うからプリンセスにはふさわしくない、という思い込みこそが人種差別につながってしまうのかもしれません。
ディズニープリンセスで、黒人のプリンセスが登場したことはまだありません。
今回の『リトルマーメイド』が歴史に残る記念すべき作品になるのは間違いないと思います。
『リトル・マーメイド』
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まとめ
実写版『リトル・マーメイド』のテスト上映が行われ、観客から絶賛が相次いでいるそう。
— matsu (@ladybird23a24) December 9, 2022
「実写版で初めて泣いた」
「アリエル役ハリー・ベイリーの全てが素晴らしい」
「ディズニー実写リメイク史上No1の完成度」
「95点!残り5点は公開まで待ちきれないってこと」
ついに来年5月公開。 pic.twitter.com/31gEEMSj4z
今回は、「実写版リトルマーメイドの黒人起用はなぜ?ポリコレの理由や海外の反応を解説!」について考察してきました。
結論として、
- アリエル役にハリー・ベイリーさんが起用された理由
1・圧倒的歌唱力
2・確かな演技力
3・多様性を取り入れた - ポリコレを意識するあまり、アリエル役にハリー・ベイリーさんを起用したのではないかと言われている
- 黒人女優がアリエルを演じることに、海外でも否定的な意見が多くあるが、擁護する意見も見受けられる
- アニメ版のアリエルのイメージが強いため、黒人女優を起用したことがひどい・おかしいといわれているのでは
ということが分かりました。
様々な意見が聞かれる実写映画『リトルマーメイド』は絶賛の声も聞かれています。
この作品を通して人種間の問題や差別についても考えることが出来るかもしれないですね。公開が待ち遠しい作品です。