ゴジラ-1.0のパンパンとは何?意味を時代背景とともに考察!

戦後の日本を舞台に描かれた映画『ゴジラ-1.0』。当時使用されていた言葉も登場するため、きょとんとなる方もいるでしょう。

特に『ゴジラ-1.0』で「パンパン」という言葉が登場します。浜辺美波演じる典子は憤った様子で話すので、あまりいい意味には思えません。この「パンパン」とはどんな意味があるのでしょうか

今回は、『ゴジラ-1.0』の時代背景にも注目し、考察していきたいと思います!『ゴジラ-1.0』のネタバレ要素はほとんどないので、安心してくださいね。

この記事の監修者
つくつく

映画鑑賞は年間100本以上映画ブログ運営4年

中学生の頃に『スターウォーズ』に感動して以降、
映画の沼にハマり続けて20年。
結婚・出産後も年間100本は必ず鑑賞中。
Filmarksアカウントにも鑑賞レビューを掲載中。

目次

『ゴジラ-1.0』の「パンパン」とはどういう意味?

『ゴジラ-1.0』の序盤で浜辺美波演じる典子が「パンパンにでもなれっていうの?」というようなセリフを言います。今はほとんど聞かない言葉ですが、パンパンとは

アメリカ兵を相手にする売春婦

を指します。パンパンガールとも呼ばれ、彼女たちは全国的に多く存在していたようです。

『ゴジラ-1.0』の時代背景

『ゴジラ-1.0』はいつの時代の物語?

映画『ゴジラ-1.0』は

第二次世界大戦末期の1945(昭和20)年頃

が舞台の作品です。日本が混乱する時代を描いています。

1945年は日本で何が起きていた?

1945年の日本に関する主な出来事をまとめました。

  • 3月 東京大空襲
  • 4月 沖縄本土にアメリカ軍上陸
  • 7月 アメリカ、イギリス、中国が日本に対して無条件降伏を求めるポツダム宣言を発表する
  • 8月 広島・長崎に原爆投下
  • 8月15日 戦争終結

上記に挙げていませんが、戦争中、東京などの都市部だけでなく、地方の都市でも空襲が起こり、日本は甚大な被害を受けたことは広く知られていますね。1945年空襲での死者数は約38万7,000人と言われています。

『ゴジラ-1.0』でも、東京へ戻ってきた敷島は両親が空襲でなくなったことを知らされます。また、典子も敷島と同じく、両親を空襲で失っています。

1945年、戦争は終結しましたが、敷島や典子のように家だけでなく家族も失った人は多く、食料や日々の物資も不足する生活が続きます。劇中も闇市のシーンがありましたが、『ゴジラ-1.0』は、戦後の日本の様子をリアルに感じる部分が多くありそうですね。

戦後パンパンは当たり前の存在だったの?

混乱が続く戦後の日本で、困窮する生活を送る女性は多くいました。戦争によって家族も失い、財産も失った女性たちは売春をし、身を立てる方法を選ぶしかない人も多くいたのです。それがパンパンと呼ばれる女性たちです。

こうしたパンパンの7割が進駐軍の相手をしていたといわれています。パンパン以外にもパンパンガールなどと呼ばれることがあり、語源は諸説あるもののはっきりとはわかっていません。

戦後の1947年時点では、

東京に3万人、横浜などの大都市には合わせて4万人いた

とされています。少なくない数の女性たちがパンパンだったのですね。

典子のセリフはどんなシーンだったのか?

東京に戻った敷島は、闇市で両親を失った典子に出会います。典子はこの時、血のつながらない赤ちゃんも世話をしていました。この赤ちゃんは空襲の時に他人から託された子です。

成り行きから敷島は典子と赤ちゃんとの共同生活をすることになりますが、敷島には元より他人の二人を養う理由がありません。その中で、典子が「パンパンになれっていうの」と敷島に告げるのです。

敷島と典子の2人が共同生活する中で、あまりの貧しさの中で出てしまった言葉

だったのですね。

ちなみに、パンパンはワンナイトな意味合いがありますが、一人のアメリカ兵だけを相手にする女性は「オンリーさん」と呼んでいました。オンリーさんになると相手に生活を見てもらえるようになるため、身なりも良くなり、暮らしぶりも豊かになったようです。

パンパンは当時女性が身を立てるための選択肢のひとつで、オンリーになることを期待してパンパンになる女性は少なくなかったのでしょう。だからこそ、典子は口にしたのだと思います。ただ、最後の手段でもあるからこそ、憤った様子だったのでしょう。

\『ゴジラ-1.0』関連記事/

▼「パンパン」は売春婦?当時の時代背景を『ゴジラ-1.0』と振り返る!
▼『ゴジラ-1.0』続編ありそう!公開日はいつ頃になる?

まとめ

第二次世界大戦後の1945年頃の日本を舞台に描かれた映画『ゴジラ-1.0』。両親を失った敷島は、同じような境遇であり、見知らぬ他人の子を育てることとなった典子と出会い、成り行きから共同生活を送ることとなります。

当時は生活物資にも困る状況です。成り行きからの共同生活も貧しさを感じざるを得ません。そうした生活から、典子は敷島に対して「パンパンになれっていうの」と口にします。この「パンパン」とは当時日本にいたアメリカ兵を相手にした売春婦のことです。

当時パンパンは東京に3万人ほどいたとされ、家族や財産を失った女性が一人で身を立てる方法の一つとして知られていました。このような時代背景から『ゴジラ-1.0』でも「パンパン」という言葉登場したのだと思われます。

ただ、「パンパン」は最終手段でもあるため、典子は憤ったような様子を見せたのでしょう。『ゴジラ-1.0』は時代背景も考えて観ると、また違った印象を与えてくれそうです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次