SINGはミュージカルがテーマの3Dアニメ映画です。山寺宏一やMISIAなどの豪華な声優陣たちの吹き替えも世間で話題になりました。
しかし劇中でレッサーパンダが怒ったシーンが日本人差別的だと言われています。
本当に日本人差別があったのでしょうか?
今回は
- レッサーパンダが怒った理由は何?
- レッサーパンダが怒ったのは日本人差別が理由?
- 吹き替え版ってどうなの?
について考察していきたいと思います。
映画『SING/シング』のネタバレを含みますのでご注意下さい。
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結婚・出産後も年間100本は必ず鑑賞中。
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▶レッサーパンダがムーンに怒るシーンはこちらで確認できますよ!字幕版です。
レッサーパンダが怒った理由は何?
レッサーパンダが起こった理由
レッサーパンダが怒った理由は
支配人であるバスター・ムーンが日本語で失礼な言葉を言ったから
です。
何が起きたのか順に確認していきましょう!
(おさらい)レッサーパンダのシーン
五人組でそれぞれ違う衣装を着たレッサーパンダのグループはキューティーズという名前で、日本から来たアイドルグループという設定です。
彼女たちは賞金が出る劇場のオーディションに参加するためにバスタームーンの劇場に来ましたが、オーディションには落とされてしまいました。
しかし彼女たちは英語がわからないためオーディションに落とされてしまったことがわかっておらず、オーディションに受かった人たちの中に混ざってもう一度歌を披露しようとします。
オーディション合格者たちと大事なミーティングをしていたバスター・ムーンはすこしいらだった様子で彼女たちのラジカセを止め再び不合格だと告げますが、彼女たちはそれを合格だと勘違いし笑って去っていきます。
後日行われた合格者たちのリハーサルにも彼女たちは勝手に忍び込みリハーサルをしています。バスター・ムーンは指でこの場を去るようにジェスチャーしますが、彼女たちはそれを振り付けの指示と勘違いし、新しい振り付けで踊り続けます。
考えを改めて彼女たちの才能を認めたバスター・ムーンはコンテストに出てくれとお願いしますが、これも英語が通じないため伝わりません。バスター・ムーンは辞書を引きながらもう一度お願いしますが、うまく伝わらず失礼な日本語になってしまいました。
突然失礼なことを言われた彼女たちは怒り、バスター・ムーンをビンタしてそのまま出て行ってしまいます。
失礼な発言は日本人差別だった?
ムーンがレッサーパンダが言ってしまった日本語は、
日本人差別のような発言
と捉えられています。
バスター・ムーンがレッサーパンダたちに言った言葉は、字幕で見たときと吹き替えで見たときで大きく印象が変わりますので、それぞれで確認していきましょう!
吹き替え版のムーンの発言
吹き替えで見ると、ムーンは日本人がやりがちなカタカナ英語の喋り方で話しかけます。
リッスンミー、ユービューティフォーアンドワンダフォー、ファイブガールズアイニードユー、プリーズ、ユーセクシー
出典:SING/シング
これはコンテストに出てほしいというより、あなたが好きですというような意味に聞こえてしましますよね(笑)
コンテストに出るために来たキューティーズは、急に告白をされたと勘違いしビンタをします。
吹き替え版の場合、みんな日本語を話しているので、キューティーズは日本人ではない外国人という設定になりますよね。つまり、ムーンの発言は、日本人が外国人と接している時のイメージを彷彿とさせるのです。
日本人がいかに英語が苦手か
というところが表現されていらようにも思えますよね。日本語吹き替え版がそうなっているので、日本人が自分たちのことを自虐しているだけなのですが(笑)。
字幕版のムーンの発言
しかし字幕で見ると、ムーンはこのように喋っています。
アナタタチ、アシスゴククサイヨ、アシツメニニテクサイ
SING
あなたちはとても才能があるのでコンテストに出てほしいということを伝えようとしたところ、翻訳がうまくできずに才能という部分をくさいと言ってしまい、足が臭いと言われたと勘違いしたのでビンタしたというジョークになっています。
日本人であるキューティーズは、
アメリカに来ているのにろくに英語を学ばず、ひたすらキャッキャしているという、日本人アイドルへの偏見イメージ
のように思えませんか?
これが少し日本人差別的だと言われる所以かと思います。確かに、日本のアイドルは同じくアジアの韓国アイドルとかに比べれば英語は苦手なイメージはありますよね。。。
日本人があまり英語を話せないという現状を少し馬鹿にして差別的に描いていると言われても仕方ない演出かもしれません。
ただ、単純な日本人への差別的ジョークというものではなく、日本人が自ら英語圏へ進出してきているのにも関わらず英語を学ぼうとしない姿勢を監督があまり良く思っておらず、その結果このようなジョークが追加されたのかもしれません。
でも、字幕版でもきゃりーぱみゅぱみゅのにんじゃりばんばんなどの楽曲が使われており、監督が日本が嫌いというわけではないのかもしれませんね!
ちなみに、映画『SING/シング』にはもう一つ謎があります。最後にマイクがどうなったかが描かれておらず、続編の『シング:ネクストステージ』にも登場しないのです。マイクが最後にどうなったか、SING2にいないのはなぜか考察してみると、おもしろいことがわかりました!
吹き替え版ってどうなの?
SINGではSNSなどで声優陣に不安があるという声がありました。
山寺宏一や坂本真綾などの有名声優が多数出演しているのになぜだろうと思うかもしれませんが、それはMISIAやスキマスイッチの大橋卓弥などの声優が本業ではないアーティストが声優を務めていたからでした。
確かに声優を本業としている人たちに比べると、アーティストの人たちの演技はあまりうまくないように見えます(笑)
セリフが棒読みだったり、滑舌が少し悪い部分も見受けられます。
しかし、ひとたびミュージカルシーンになるとその評価は一変します。
歌唱シーンではその歌のうまさが最大限に表現されており、この歌唱力なしではこの映画はもっとつまらなくなってしまったかもしれません。
終盤のMISIA演じるゾウのミーナが歌うシーンはクライマックスになっており、とても感動します。
まとめ
今回は、映画『SING/シング』について、
「レッサーパンダが怒った理由は何?」「レッサーパンダが怒ったのは日本人差別が理由?」「吹き替え版ってどうなの?」について考察しました。
内容をまとめると次の通りです。
- レッサーパンダが怒ったのは失礼なことを言われたせい
- レッサーパンダが怒ったシーンが日本人差別的だった
- 吹き替え版のアーティストの歌唱シーンがすごい
日本人差別や吹き替え版のせいでこの映画を敬遠していた人もいると思いますが、とても面白い作品です。
ラストのミーナの歌唱シーンは映画の中に入って聞きたいなと思いました。