誰もが知っているキャラクター『くまのプーさん』を実写化した映画『プーと大人になった僕』は、大人になったクリストファー・ロビンとプーの心温まる物語です。
しかし、予想以上に泣ける映画、大人向けの映画、と評判の映画で、プーさんの名言が大人に刺さりまくること間違いなしなのです。
そこで、今回は『プーと大人になった僕』が伝えたかったことやメッセージを考察しながら、『プーと大人になった僕』の魅力について考えたいと思います!
【考察】『プーと大人になった僕』の伝えたかったこと
今を大事にする
「プーと大人になった僕」は働くすべての人に観て欲しい。
— DIZ (@DIZfilms) March 28, 2020
こんなにふわふわな雰囲気からは想像もできないほど心に刺さる名言だらけ。
幸せになるために、大切なものを守るために働いてるのにいつのまにか迷子になってしまった大人たちへプーがたくさんの気づきを与えてくれる哲学映画なんですよ。 pic.twitter.com/pKIRLHzRgR
大人が聞くと思わずはっとしてしまう名言が多いのも、この『プーと大人になった僕』という作品の魅力に一つです。映画を通しても、時間、つまり「今日」について描かれているように思われます。
例えば、プーと大人になったクリストファー・ロビンの会話にこんなものがありました。
プー「今日は何の日?」
クリストファー・ロビン「今日は今日だよ」
プー「わー、僕の好きな日!」
クリストファー・ロビン「僕もだよ、プー」
プー「昨日、まだ明日だった時、僕は手が届かないと思っていたけど」
クリストファー・ロビン「プーのおバカさん」
さらっと字幕を読むと(あるいは吹き替えを聞いていると)、「ん?」と一瞬ついていけなくなるフレーズなのですが、プーはつまり、
「『今日』がまだ明日だった昨日の時点で、『今日』はまだ手が届かないように感じていた」
という話をしているのですね。プーがそれだけ
明日という未来は遠いものなので、
いかに「今」「今日」を大切にして生きてきたか
がよくわかる言葉なのです。
対照的に、劇中で大人になったクリストファー・ロビンは、「家族やマデリン(娘)の将来のため」と言いながら、超ハードワークをこなして仕事仕事ばかりで家族との時間を疎かにしていました。
不思議なことに、子どものころは「今この瞬間」しか気にしないのに、大人になったら「未来の心配」ばかりで、目の前のことの大事さなんて、どこかに行ってしまいますよね。これは誰しも共感できる感覚なのではないでしょうか。
わかっちゃいるけど、なかなか今を大切にすることができない。そんなとき、これもプーの名言ですが、
「何もしないことは、最高の何かにつながる」
ということを思い出して、思い切って「何かをしない」という判断をしたいですね。クリストファー・ロビンの上司は「何かを得るためには何かをしなければいけない」という価値観を押し付けてしまいますが、ときには「あえて何もしない」ことで何かを得られる可能性だってあるのです。
そういう発想すらしづらい世の中になっていることに、映画を観てはたと気づき、なんだか自分の人生についていろいろ思いを巡らせてしまいました( ゚Д゚)
「こうあるべき」ではなく
「何もしない」であるがままを受け入れる
金曜ロードショーで『プーと大人になった僕』やるの楽しみ。 “何もしないことは最高の何かに繋がる”プーの台詞一つ一つがどこか考えさせられる、私の大好きな映画。 pic.twitter.com/nSazXFi5FC
— モネ。 (@mone17js) March 4, 2023
映画『プーと大人になった僕』には、映画を通して伝えているもう一つのメッセージがあるように感じます。それは、
社会が押し付けた「こうあるべき」ではなく
あるがままの姿を受け入れてみよう
ということです。
映画を通して、大人とは、社会人とは、こうあるべきだ!という価値観に染まってしまい、他の大切なことを忘れてはいないだろうか?という投げかけをしてくれているように思います。
例えば、映画の中だけでも、
- 子どもは勉強すべき
- 男は休日返上してでも仕事をすべき
などなど、クリストファー・ロビンの周囲には「こうあるべき」がたくさんありました。
一方で対照的に、プーの
僕は、僕でいちゃいけないの?
という言葉が刺さります。これは、クリストファー・ロビンがプーを連れて移動する際に、他の人にプーが喋ることを悟られないように、「お昼寝する(寝たフリ)」をするように頼むのです。
人は自分と違うものが好きじゃない。今は黙っていてくれ
と、クリストファー・ロビンは言うんですね。
それに対して、プーが返した言葉が「僕は僕でいちゃいけないの?」でした。
「出る杭は打たれる」とはよく言われることわざですが、プーの言葉には「社会が求める理想像」に合わせて生きるのではなく、「あるがままの自分でいる」ことの大切さに気付かされる名言です。
また、クリストファー・ロビンの娘マデリンも、母親に「思いっきり外で自由に遊びなさい」と言われて「どうするの?」と困ってしま場面がありました。これには「お?」と思いましたね。
マデリンは勉強ばかり押し付けられて、外で自由に遊ぶ遊び方なんて知らなかったのです。現代の子供は、遊びまでも大人に決められ与えられて、自分で自由に遊ぶ方法を知らないかもしれませんね。ゲーム、テレビ、スマホ、、、頭や体を使わずに遊べる娯楽が周りにたくさんあるのですから。
大人としても子どもの対応について考えさせられるシーンでした。子どもには、大人のこうあってほしいという理想像を押し付けるのではなく、あるがままに遊ばせることも大事ですね。
『プーと大人になった僕』の魅力
『プーと大人になった僕』は素晴らしい映画でした。「明日から仕事なんてやってられるかよ!」と気合が入る程の作品です。今の職場辛いなぁ..と少しでも考えてる方におすすめですね。仕事を辞める意欲がメキメキと湧いてきますよ。 pic.twitter.com/KS2zS8Dsis
— サドンデス (@suddendeathdesu) January 18, 2023
上記のように、『プーと大人になった僕』は大人視点ではとても考えさせられる映画ですが、
子どもも観ても楽しい
というのが魅力の一つではあります。
なんせ、くまのプーがリアルなぬいぐるみでリアルな世界に登場するのですから、こんなにも魅力的な世界はありません。観ていて、同じぬいぐるみがほしい!と思ってしまいました。(実は、似たようなぬいぐるみはイギリスで売っているのを見たことがあって、超絶かわいかったので購入しました(^-^;)
もちろん、子どもと大人の楽しむ視点は異なりますが、子どもは子どもなりに、プーたちと実際に過ごす時間を夢見ることができる楽しい作品です。
子どもたちと一緒に楽しめる映画ですよ♪
『プーと大人になった僕』
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まとめ
くまのプーさんの実写映画『プーと大人になった僕』の伝えたかったこと、メッセージ、魅力について考えてきました。結論としては、
- 伝えたかったこと・メッセージは、
今を大切にするということと、
あるがままの自分でいることの大切さ - 魅力は、
子どもも大人も楽しめる作品という点
と考察してきました。
『プーと大人になった僕』は、観れば見るほど、考えが深まっていく映画のように感じます。何度も観て吟味したいですね♪