大ヒットを記録したミステリー映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』の最後のシーンについて、もやもやした人きっと多いですよね。疑問として、
- 最後に仙堂を刺したのは誰か?
と思った人もいると思います。
サラっと見ていると、戸田丈だろうと思うのですが、かなり深読みして考えると、どうも拓巳(たくみ)なのでは?拓巳なら刺すのでは?という気もしてくるのです。
今回は、最後に仙堂を刺した人は誰なのかについて、考察していきます!
ラストシーンおさらい
本日の金曜ロードショーは
『22年目の告白-私が殺人犯です-』連続殺人事件の時効成立から7年後…
自分が犯人だと名乗る男が現われる!時効を迎えた殺人犯が目の前に現れたら…!?
あってはならない殺人の告白に日本中がくぎ付けに! pic.twitter.com/EAuN0tZg5W— でんごー (@denkengokaku1) January 28, 2022
問題となる、『22年目の告白-私が殺人犯です-』のシーンをおさらいしたいと思います。本編をしっかりおさらい、復習したいという方はこちらをどうぞ▼▼
本編のエンドロール後に、問題のシーンはあります。
真犯人だった仙堂が真っ白な廊下を手足に手錠をかけられ、周囲を警察官に取り囲まれ、歩いているシーンです。その後の説明で、仙堂は精神的な病があるということで、懲役刑や死刑などの罪には問われず、病院のようなところに収監されることがわかっています。
仙堂の背後には、顔中にピアスが刺さった清掃員の恰好をした男の姿。ピアスが刺さっている顔と言えば、映画冒頭と中盤に登場した戸田丈ですね。第3の殺人事件で殺害された橘組の組長の愛人の連れ子です。
戸田は橘組の組員であり、被害者遺族でもあります。実際の犯行の目撃者ではありませんが、母親を殺されたという立場です。夏帆さんが演じていた美晴もそうですね。
そのピアスを付けた顔の男が、仙堂を背後からナイフで刺しにかかる、というところでエンドクレジットに入ります。
最後に刺した人は誰?たくみなのか
小野寺拓巳説
この野村周平くんが魅力的で軽率に22年目の告白?観に行ってしまいそう pic.twitter.com/OzHyzFf9B6
— 三果子 (@soware_i) June 20, 2017
ちょっとここで、深読みをしてみたいのですが、最後に仙堂を刺したのは、藤原竜也さん演じる小野寺拓巳なのではないか、というふうに考える人もいるのです。なぜなら、
拓巳の婚約者の里香を殺した仙堂は、
逮捕されたものの罪には問われず生きているから
です。これに尽きます。
牧村刑事は、仙堂を「法律で裁くことができる!」と、仙堂の首を絞めていた拓巳に伝えて思いとどまらせますが、結局、法律で裁けるとしても、極刑になるわけでもなく、ただただ精神異常者として、ある意味守られて、これからの人生を生きていくのです。
世の中は本当にフェアじゃないと思ってしまいます。犯人に復讐するために、顔を整形して、世の中全体を騙すような大きな仕掛けを長い時間かけて準備し、やっと犯人にたどり着いた拓巳が、単に法律で裁けるからという理由で、引き下がることができるのでしょうか?
あまりにもすんなり現実を受け止めすぎていて、逆にリアリティがないとも考えられます。
それに、拓巳は最後に、
里香の命日には(日本に)帰ってくる
と言って、おそらく海外に旅立ちました。
少し意味深でしたよね。もし、仙堂を刺すことが命日に起こっていたとしたら…刺したのは拓巳なのでは、と疑わざるを得ません。
小野寺拓巳説の反論
しかし、もし最後に刺した人が拓巳(たくみ)なのだとしたら、1点腑に落ちないことがあります。それは、
拓巳が刺したのなら、
再び顔を整形する必要はあったのか?
ということです。
ただでさえ、1度顔を整形している拓巳が、さらに整形、しかも「戸田丈」っぽい顔にあえて整形する必要性がないように思えるのです。
戸田丈も被害者遺族の一人ですし、あえてその戸田に罪を着せるような真似はしないのではないでしょうか。
それに、一度は牧村刑事の言葉で思いとどまった仙堂への復讐を、さらに時間が経った後に復讐心が湧いてくるということはあるのか、という点も疑問です。
以上のことから、拓巳(たくみ)説は、少し根拠が薄いように思えますね…。
戸田丈説
ハイローのオタクへ
今日21時からの金ロー映画『22年目の告白 私が殺人犯です』は、ヤクザの組長やってる岩城滉一と、顔中ピアスだらけのチンピラやってる早乙女太一が出ています ウチら向けすぎる激アツ展開があるので観てください pic.twitter.com/V1uSlgNcbE— エンタメ大好き妖怪 (@COLORBAR_ty) January 28, 2022
観た通りに、戸田丈が最後に刺した人として考えるのが、一番筋が通っているのかもしれません。というのも、
戸田丈の母親は、時効を迎えていて裁判もされることなく、
人々の記憶から忘れ去られていくだろう
と思われるからです。
牧村里香の件はまだ立件もされて、きっとかなり大きな話題を呼んで裁判が行われ、メディアにも取り上げられたと思われます。しかし、そのほかの5つの事件については、完全に時効が来ているために、罪には問えず、無罪放免なわけです。
犯人が誰なのかわかっているのに何もできないなんて、遺族からしたらこれほど悔しいことはないと思います。最後に本当に刺したのかどうかもわからないような形で、被害者の感情を表現したのは、とてもリアリティがあると思いました。
同時に、このラストシーンは、
法律ですべてが解決するわけではないという
法の不完全性
もメッセージとして伝えているように思われます。
法律が人間の感情に完全に寄り添うことや、世の中に完全な公平性をもたらすことなんて、きっと永遠に来ないのです。でもそういう状態を目指して、私たちは社会に疑問を呈していく必要があると思いますね。
まとめ
大ヒット映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』の最後に仙堂を刺した人は誰なのか、について考察してきました。結論としては、
- たくみが刺した説もあるが、
やや根拠が薄い - 戸田丈が刺したと考えるのが自然
ということでしたね。
そのほかにもいろいろ考察しがいのあるミステリー作品なので、何度も観たくなる上質な映画です♪