映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじをネタバレありで徹底解説しますよ!
化学(ばけがく)で七変化するタヌキたちが魅力の本作は、何度観ても楽しめます。
今回は、最後の結末まで、感想も一緒にわかりやすくしっかり解説しますよ~♪
映画『平成狸合戦ぽんぽこ』作品情報
『平成狸合戦ぽんぽこ』
— 大人気アニメの裏話♡ (@anime_naisyo1) October 10, 2022
環境保護をテーマにしていることと
もうひとつテーマが存在する 「タヌキたち」は
第二次世界大戦後の「日本人」
「人間」は「アメリカ人」を 表している。 pic.twitter.com/aqJOcgJYnx
『平成狸合戦ぽんぽこ』基本情報
『平成狸合戦ぽんぽこ』の基本情報を押さえていきましょう。
- 作品名:平成狸合戦ぽんぽこ
- 公開日:1994年7月16日
- 上映時間:119分
- 監督:高畑勲
- 脚本:高畑勲
- キャスト:野々村真、石田ゆり子、
柳家小さん (5代目)、三木のり平、ほか
『平成狸合戦ぽんぽこ』は、1994年にスタジオジブリが制作したアニメーション映画です。スタジオジブリが東小金井の新社屋で初製作する長編映画は高畑勲監督が原作・脚本・監督の3役を務めた初のオリジナル作品です。
『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじ(簡単に・ネタバレなし)
自然の恵み多き、東京は多摩丘陵。
そこに住むタヌキたちはのんびりとひそやかに暮していました。
しかし、宅地造成による自然破壊によって、タヌキたちのエサ場は次第に少なくなっていました。
自分たちの住処を守るため、タヌキたちは先祖より伝わる「化学(ばけがく)」で人間たちに対抗しようと立ち上がります。
『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじ内容を詳しくネタバレ解説!
多摩ニュータウン計画
→続き)その後、高畑監督は様々なリサーチを進め、中身を固めていく中で「開発の荒波をまともにかぶったタヌキたちの、止むに止まれぬ生き残り作戦」として話を 膨らませ、「この激動と戦乱の時代をタヌキたちはどう生き、どう死んでいったのか」などを描く「平成狸合戦ぽんぽこ」が誕生したのです。 pic.twitter.com/OsknSk6ovV
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) April 5, 2019
昭和40年代。多摩丘陵の里山に多くのタヌキが暮らしていました。しかし、多摩ニュータウン計画の推進により森林の伐採が進められ、行き場を失ったタヌキたちの縄張り争いも加速していくことに。
ぽんぽこ31年の秋。鈴ヶ森と鷹ヶ森のタヌキたちの激しい合戦が始まりますが、火の玉おろく婆の仲裁により、タヌキ同士で戦っている場合ではないと終止符が打たれます。
多摩ニュータウン建設は多摩丘陵の山容を完全に変貌させる計画でした。多摩丘陵全域のタヌキたちは、この緊急事態に奥山の荒れ寺に集合し、開発を阻止するために化学の復興と人間研究に取り組むことを決めます。
おろく婆と鶴亀和尚の指導の下、タヌキたちは変化するための特訓と人里に降りての人間観察に日々鍛錬していきました。その間にも、森林の伐採が進み造成地は増え続け、タヌキたちは、それらを「のっぺら丘」と呼びました。
タヌキたちは、化学総仕上げとして、人間に化けての街頭実習も行いました。
狸たちの奇襲作戦
平成狸合戦ぽんぽこ!
— 水江未来 (@MIRAI_MIZUE) April 5, 2019
多摩ニュータウン開発のために、多摩丘陵を追われたタヌキたちは、鑓水まで逃れ、そこに新たな砦を作りましたとさ
その砦は今では、多摩美術大学と呼ばれています pic.twitter.com/xVFFqm7yF3
その頃、鷹ヶ森の半分がのっぺら丘と化していたことを知った鷹ヶ森の長・権太が、人間撃退作戦の発動を提案します。
おろく婆は、化学の変化は一通りできるようになったものの、まだ経験が足りなく正体が露呈する危険性を指摘します。しかし、権太を筆頭に鷹ヶ森のタヌキたちは、身を引かず、影森の正吉も参戦すると名乗りを上げます。
見かねたおろく婆は、もし失敗しても、5日間はキツネの死体に見える秘術を授けました。
ぽんぽこ32年の夏。権太を首領とする若手有志約10名は、身に付けたばかりの変化術を応用した奇襲作戦に出て、雨降りの開発現場で工事トラックなどを横転させます。
今回の作戦で犠牲になった人間に1分間の黙祷を捧げますが、作戦の成功に嬉しさを隠せずにはいられないタヌキたちは、クスクスと笑い出し沈黙を破ります。たちまち、歌えや踊れやの騒ぎになります。
怪我を負う権太
平成狸合戦ぽんぽこに
— tata-maru (@tata_maruco) October 4, 2022
でてたよ٩( ᐛ )و!!!
(いいえ、このこはおキヨです) pic.twitter.com/bg9snlrdrw
しかし、テレビから流れてきたニュースは、開発現場でのことを大雨での事故と放送し、開発が中止されることはありませんでした。胴上げ中の不慮の事故で権太が全治一ヶ月の怪我を負います。
開発が中止されることはありませんでしたが、今回のことをテレビのコメンテーターが祟りや罰が当たったのではないかと発言。
それを受けてタヌキたちは、すぐさま作戦を開始します。伐採予定の山道でお地蔵さんに化けて、見事に業者を目くらませたり、お仕えキツネに化けて儀式を中止させ、伐採を見送らせます。
次々と習った化学で人間たちを脅かすタヌキたち。変化はすっかりタヌキたちの楽しみとなっていました。怪我を負った権太は、人間を脅かすだけでは生ぬるいと一喝し、「事故を起こして人間を始末しろ」と言いだします。
世間では多摩ニュータウンの怪奇現象が話題をさらいましたが、その間にも開発は進んでいきました。有名な変化ダヌキを化学指南として、長老を迎えに佐渡へは玉三郎が、四国には文太が任地に赴きました。
正吉とおキヨの2人は、双子の星作戦と名付けた作戦を造設現場の作業員宿舎で行い、人間を追い出します。しかし、せっかく化かして人が居なくなっても、次の朝には違う人が来るという堂々巡りでした。
ある時、造成現場に神奈川県の藤野町から来たタヌキが辿り着きます。そのタヌキは、自分の森に不法投棄される残土がどこから運ばれてくるのかを調べるためと言いました。
妖怪大作戦
#となりのトトロ
— 朝ドラユニバース@朝ドラ小ネタ探求者 (@AsadoraUniverse) August 19, 2022
今年は、平成狸合戦ぽんぽこなくて残念だったな…。ジブリで1番面白いのに…!平成狸合戦ぽんぽこTwitterで実況したら、開発過激派、環境過激派、右、左、入り乱れたカオスな状況になって面白かっただろうに! pic.twitter.com/hdrGMXuYkY
ぽんぽこ33年正月。正吉はまだ変化できない仲間のタヌキを励ますために、化けることなく造設現場の崖からブルドーザーを落下させます。
春がやってきて、身を慎んできたタヌキたちは恋の実りの季節を謳歌し、多くの子タヌキが産まれました。その間にも造設工事は進み、タヌキたちが住む森は狭くなり、食糧問題が起こります。
人間に変化できるタヌキは、人間の残飯を収集して食いつなぎましたが、変化できないタヌキは、人家に寄り付き、タヌキ用の罠にかかったり、道路で車にはねられるタヌキも出てきました。
この状況を見かねた権太は、「人間を追い出せ!」と言い出しますが、正吉は、全面対戦をするなら、長老の到着を待つべきだと主張します。丁度その時、四国の三長老を連れた玉三郎が戻ってきます。
ぽんぽこ33年秋。三長老を中心に決起集会が開かれ、人間から尊敬と畏怖の念を取り戻し、開発を中止する手を打つため、妖怪大作戦が発動されました。
一致団結したタヌキたちの猛特訓の後、ぽんぽこ33年の暮れ、新設された多摩ニュータウンを舞台にタヌキたちは一世一代の変身術をやり遂げます。
ニュータウンの事件は、たちまちニュースに取り上げられ、化け物か何かの仕業だと流れます。タヌキたちは、もう飲めや歌えやの祝宴会が朝まで続きました。
命を落とす権太
『平成狸合戦ぽんぽこ』の登場人物は、東映動画時代のスタッフがモデル。
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) December 14, 2017
権太は宮崎駿、正吉は高畑勲がモデルとされている。https://t.co/MmhzOQJdTvpic.twitter.com/gEXHGwp6Lv
しかし、翌朝のニュースではワンダーランドというテーマパークの宣伝にすり替えられてしまったのです。このニュースに失望落胆したタヌキたちは、すっかり無力感に陥ります。
妖怪パレードのことを唯一見抜いたのは、変化キツネの竜太郎でした。そのことを六代目金長に伝えると言葉巧みに誘いだし、銀座のクラブに直行します。
竜太郎の話では、多摩のキツネたちは滅び、少数の変化できるキツネだけが、人間に身をやつして暮らしていると言うのでした。続けて、タヌキたちも人間に転じてワンダーランドに就職するのが最良の解決策だと告げます。
そして六代目金長は、タヌキたちに人間として生きていくことを提案しますが、皆真剣には取り合いません。
禿狸は、変化できないタヌキたちを集めて踊念仏の教祖に勤しみ、六代目金長と玉三郎は、ワンダーランドの社長を騙し、多額の支度金を奪い取ります。
一方、強硬派の権太たちは、裏成り山の伐採阻止の実力行動を開始していました。武器を手にした権太たちは、退去勧告に応じることなく、警官や作業員を裏成り山に踏み止まらせます。
しかし、機動隊までもが出動し権太たちは、体当たりの自爆攻撃に出て命を落としました。
丁度その頃、多摩丘陵の別の林では、テレビ局が中継車を繰り出し、鶴亀和尚とおろく婆がカメラに向かって、山を勝手に失くさないでほしいと訴えます。
「これは生き物すべての願いじゃ」と言うと、森の動物たちの姿となり、動物たちの声を森にこだましました。
『平成狸合戦ぽんぽこ』の最後と結末
消えてしまった狸の森
ポンタさん主演の
— 宇佐美 (@usami_kazuki_bz) March 4, 2021
平成狸合戦ぽんぽこ
森林開発に対抗するタヌキ達の生き様にとても申し訳ない気持ちになりました😢 pic.twitter.com/bed54JYRXP
999歳の禿ダヌキは、大キンタマで宝船を作り、並のタヌキの一団を乗せて、多摩川を漕ぎぎだします。それは行きて帰らぬ死後の旅だったのです。残ったタヌキたちは心悲しく見送りましたが、四国に行っていた文太の姿を見て駆け寄ります。
三年の月日を経て帰ってきた文太の眼下には、消えた森に多摩ニュータウンの街が広がっていました。文太は「たった三年で浦島太郎だぞ」「化かされているのはこっちじゃないのか」と言い、山や里を返せと嘆き悲しみます。
正吉は、最後の力を使って「この風景を元に戻してみませんか」と提案します。
鶴亀和尚とおろく婆、六代目金長も「遊び心を失くせば、タヌキももはやタヌキではないか」と乗り、残ったタヌキたちも集結して、幻術で正吉たちがまだ子供だった頃の里山の風景を見せました。
懐かしむ風景にぽん吉たちが駆け寄り幻術が解けてしまいます。
ぽん吉たちとの再会
ジブリ作品の中で一番泣いたのは「平成狸合戦ぽんぽこ」だなぁ。開発によるふるさとの変化が幼い頃と被るからだと思う。 pic.twitter.com/g1l6fbjzG4
— しうっち@人狼被り物 (@shiu71) May 4, 2020
それから、多摩丘陵全域は以後開発にあたり地形を活かした元の山林を残すかたちで公園が作られるようになりましたが、タヌキたちが生きていくには、狭すぎました。
一部のタヌキは山越えをして、まだ山林が残る町田に移り住みましたが、それでも交通事故にあったりと苦しい生活を強いられました。
それで変化できるタヌキは、人間として暮らしはじめたのです。ぽん吉たちの並のタヌキたちは、開発や交通事故にもめげずに人家の傍で何とか食いつなぎます。
ある晩、正吉は仕事から帰る道すがらぽん吉たちがゴルフ場で宴会をしているのを見つけ、タヌキの姿に戻って再会を喜び合いました。
ぽん吉は最後、「開発が進んでキツネやタヌキが姿を消したって、あれやめてもらえません?」「そりゃ確かにキツネやタヌキは化けて姿を消せるのもいるけど、でもウサギやイタチはどうなんですか?自分で姿を消せます?」と問いかけました。
『平成狸合戦ぽんぽこ』感想まとめ
【4/30(土)・5/2(月)・3(火)・5(木)・6(金)上映作品】
— 早稲田松竹 (@wasedashochiku) April 24, 2022
『平成狸合戦ぽんぽこ』
タヌキだってがんばってるんだよォ。
棲む土地を失う危機に瀕した狸たちが、先祖伝来の化け学を再興して人間に戦いを挑むが…。宅地開発が進む多摩丘陵を舞台に、健気でいじらしく、ときにまぬけな狸の奮闘を描いた名作! pic.twitter.com/AQ5m0wMwJe
映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の感想をまとめました!
子供の時に見ておきたい1作!
相手の立場を映像でわかりやすく説明してくれます!
人間たちの開発に対するたぬきたちの怒り。
たぬきたちの化学に遊び心があって微笑ましいです!
ユニークに描いているけど、メッセージ性は強めの作品です。
権太が複雑骨折するのリアルで好き!
まとめ
映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじを、ネタバレあり(詳しく)とネタバレなし(簡単)で解説してきました!
最後の結末までご紹介してきましたが、人間と社会や人間と自然を浮き彫りにさせながらも、その営みを都合よく解釈することもせず、笑いや美しさを見せ、心に響く作品でしたね♪
何度も見たくなってしまう映画です!