「君の名は。」「天気の子」の新海誠監督が、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる「扉」を閉める旅に出た少女の冒険と成長を描いた長編アニメーションである「すずめの戸締り」は大人気ですね。
ストーリーを語るうえで、ダイジンはキーとなるキャラクターで人気者です。可愛い面や憎たらしい面もあるダイジンの行動については謎が多く、ファンの間でさまざまな考察がされています。
そこで今回は、
- ダイジンは何がしたかったのか?
- サダイジンとどんな関係なのか?
- 猫なのはなぜなのか
について、主に考察していきたいと思います!
『すずめの戸締まり』のネタバレを含みますので、ご注意ください。
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Filmarksアカウントにも鑑賞レビューを掲載中。
▶こちらの動画でも、ダイジンとサダイジンの目的について考察されていますよ!ご参考にどうぞ~
『すずめの戸締まり』のダイジンは何がしたかった?目的は何?
モモにごはんをあげた
— moji mojico (@moji_mojico) July 25, 2023
帰りの飛行機で観た
すずめの戸締りのダイジンに似てる pic.twitter.com/jyoeAI9VqM
まず初めに、結論から申し上げると、
ダイジンの不思議な行動の目的は、
- 自由を味わいたかった
- ダイジンは、自分を抜いて「うちの子になる?」と言ってくれた鈴芽と一緒にいたかった。
- 草太に要石の役割を擦り付けたかった
- 草太と鈴芽の二人を地震の起きそうな場所に誘導し、災害を防ぎたかった
といった理由が絡み合って、不可解な行動に見えたのではないでしょうか?
補足情報として、まずダイジンの役割である「要石」について確認しておくと、
映画「すずめの戸締まり」に登場する要石は、数百年に一度発生する巨大な災いを封じ込めるために、日本列島の西と東に祀られている2つの石像です。
この世の裏側である「常世(とこよ)」をうごめく災いの両端(作中では「頭と尾」と説明している)を押さえることにより、
災いが後ろ戸を通って現世に現れるのを防ぐ役割を帯びています。
この、西の要石であったのがダイジンです。
といったことになります。
【目的①】自由を味わいたかった
なぜダイジンが要石という重要な役割を放棄したのかが気になるところですよね。
常世で、サダイジンがミミズを抑えているシーンがありましたが、ひたすら暴れ続けるミミズを抑え込んでいて、すごく大変そうでした。
そんな中で、ダイジンは偶然にも鈴芽に抜かれて解放されて、
ダイジンは久しぶりの自由を味わっています。
草太と鈴芽をからかってみたり、船から船に飛び移ってみたり、瀬戸大橋を渡ってみたりとやりたい放題でした。きっと、楽しくて仕方なかったのでしょうね。
ダイジンは長い間要石として常世から出られず動けず、ひたすらミミズを抑える役目に徹していたと思われるので、きっと現実世界で自由を満喫したかったのでしょう。「猫」ですしね(^^;
【目的②】鈴芽といっしょにいたかった
また、要石の役目を放棄した理由・目的としては、要石だった自分を抜いて
「うちの子になる?」と言ってくれた鈴芽に懐いて、一緒に暮らしたかった
ということも関係していると思われます。
鈴芽に愛されていると自覚がある状態のダイジンは、見た目も変わって、毛並みも良く、活発で可愛らしいです。また、よくしゃべります。
反対に鈴芽に嫌われた後のダイジンは、瘦せこけて、みすぼらしくなり、しゃべりません。ダイジンは、鈴芽の愛情を欲しているのだと思われます。そのために、障害になる草太を椅子にしたのでしょうね。
また、ダイジンは人に見えるように変身することも可能で、とにかくすずめと一緒にいるために持てる力を存分に使っていますよね(^^)
【目的③】草太に要石の役割を押し付けたかった
そして、ダイジンは自由を満喫し鈴芽と一緒にいるためには、
草太に要石の役割を押し付ける
というのが最適だと考えたとも思われます。
鈴芽と一緒にいるために、要石の役割を草太に押し付けるべく、目立った行動で注目を集めて誘導し、ミミズが出てきそうな扉の場所にすずめと草太をおびき寄せます。
二人を多くの命が地震災害で失われるという状況に立ち会わせることで、草太を要石にさせるよう追い込み、ライバルの排除と要石の役割からの解放を目論んだのではないでしょうか。こういった心境を、ストーリー冒頭の「おまえ邪魔」の一言が良く表していますね。
【目的④】草太と鈴芽の二人を地震の起きそうな場所に誘導し、災害を防ぎたかった
ダイジンには、要石の役割を放棄しながらも、
災害を防ぎたかった
という思いが見受けられます。
ダイジンを追っていくと、ミミズが暴れていく場面に何度も出会います。愛媛の廃校、神戸の廃園になった遊園地、東京都心とまるで誘導されているようですね。
物語の終盤、鈴芽の「ダイジン、もしかして今までも後ろ戸が開いた場所に案内してくれてたの?」との問いにうなずいていますので、災害を防ぎたかったのでしょう。初見の時は、草太を早く要石にしてしまいたくて誘導しているのかな?とだけ思っていました。
ただ、複数回見直すと、要石である自分が抜けている現状を理解しているのではないか?という思いのほうが強くなってきます。
要石でなくなっている間も、この世界を守らなければならないという使命感だけは、ダイジンはしっかり持っていたのですね。なんだか憎めない存在です(^^;
ダイジンとサダイジンが猫なのはなぜ?
昨日すずめの戸締りみたんだけど
— ぽぽ (@Goburin8539) January 6, 2023
ダイジンとサダイジン pic.twitter.com/AZ3aqfDV4m
新海監督が猫好きだったのと、異世界への案内役として適格だから
です。
要石であるダイジンとサダイジンが猫なのはなぜでしょうか?新海誠監督は、自身が猫好きであったことと、猫は異世界に導く案内役として適格であったとコメントしています。 また、ダイジンという名前は強大で大事な「大臣」という名前と「大神」という二つの名前を兼ねているようです。
また、ダイジンの行動をミステリアスに見せるための演出だったと取ることもできますね。要石が無くなってしまい、災害を防ぐために鈴芽たちを誘導していかなくてはいけません。
そういった状況でも、ダイジンの外観を猫にすることによって、義務ではなく気まぐれで行動しているようなミスリードを感じさせることもできます。
ダイジンとサダイジンの関係は?
https://up-tsukuba.com/suzume-kanameishi/すずめの戸締り見たけどダイジンとサダイジン可愛すぎるし、草太も芹澤もイケメン過ぎて1人で興奮してました pic.twitter.com/Cjv9FSHj4E
— ウルフちゃん🐺 (@wlf4c) January 1, 2024
- ダイジンは西日本、サダイジンは東日本を要石となって守っている
- ダイジンとサダイジンは陰と陽の関係
- ダイジンとサダイジンは元閉じ師であり、自らを要石としてミミズを鎮めている
ストーリー序盤に、鈴芽が要石であるダイジンを抜いてしまいます。このことから、地震の元凶であるミミズが暴れだしてしまいます。やがて、ダイジンが抜けてしまったことから、一人で頑張ってミミズを抑えていた東の要石も抜けてしまいます。この、抜けてしまった要石がサダイジンです。二人は、東西で暴れるミミズを抑えていたのです。
ダイジンとサダイジンには、
- ダイジンは、白猫で、周りに人が集まる、陽のキャラ
- サダイジンは、黒猫で、周りが喧嘩を始める、陰のキャラ
といった特徴があります。
ストーリー終盤に草太は自ら要石となり、ミミズを鎮めました。その話を聞いた草太の祖父である羊朗は「それで良い」と納得しました。閉じ師のなかには、要石が抜けてしまった場合に自ら身代わりとなり要石になって、ミミズを鎮める先祖が居たのでしょう。
草太の祖父である羊朗の病室に猫が現れます。黒っぽく、大きめなのでサダイジンでしょう。羊朗はサダイジンに向かい「お久しゅうございます」とあいさつしたことから、以前に会ったことがあると考察できます。
おそらく、サダイジンは羊朗の身内の閉じ師なのでしょう。そして羊朗自分も身内の閉じ師を要石としてミミズに刺したのではないでしょうか?
「それで良い」は、閉じ師の本分であるだけでなく、実体験からの言葉だったのではないでしょうか?
まとめ
鈴芽に抜かれたダイジンは、鈴芽と暮らすことを楽しみに、つかの間の自由を楽しみました。要石には邪魔者の草太を代役にしたかったのでしょう。要石がサダイジンだけになってしまい、ミミズを抑える必要があったので、鈴芽と草太を誘導して、災害を防ぎ草太を要石にしたかったのでしょうね。ただ、最後は、草太に代わり要石になろうとした鈴芽を見て、自身が要石に戻る決心を固めます。
ストーリーは、終始ダイジンに振り回されっぱなしでしたが、鈴芽の閉ざされた過去に誘導してくれたのもダイジンでした。可愛いく、憎たらしく、愛らしいダイジンは映画を見直すと違って見えます。何度も見ると、気まぐれキャラクターの奥に見える本当のダイジンが見えてきますね。