カリオストロの城の「ウォンまであるぜ」の意味とは?背景と時代性を徹底考察!

カリオストロの城 ウォンまであるぜ 意味 時代背景

1979年に公開されたアニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』。

宮崎駿が初めて劇場版アニメの監督を務めた本作は、冒険とロマン、そして社会風刺を巧みに織り交ぜた名作として、今も根強い人気を誇っています。

そんな本作の中でも、次元大介が発する「ウォンまであるぜ!」というセリフは、観る者に強烈な印象を残します。

一見すると何気ない驚きの一言ですが、そこには時代背景や国際情勢、そして宮崎駿監督の演出意図が込められているのです。

この記事では、「ウォンまであるぜ」の意味を徹底的に掘り下げ、その奥深さに迫ります!

この記事の監修者
つくつく

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目次

「ウォンまであるぜ!」はどんなセリフ?どんな意味?

次元のセリフが登場する場面とは

物語の中盤、ルパンたちはカリオストロ公国の地下に潜む偽札工場に潜入

そこでは、世界中の通貨が精巧に偽造されており、そのスケールの大きさに次元大介が思わず発したのが「ウォンまであるぜ!」という一言です。

  • 偽造されていたのは、ドルやポンド、円などの主要通貨だけでなく、韓国ウォンまたは北朝鮮ウォンと推察されるマイナー通貨も。
  • 次元のセリフは、その“網羅ぶり”に対する驚きと呆れ、さらには皮肉も込められた名セリフです。

セリフが示す3つのポイント

  1. 偽札の網羅性
    世界中の通貨を偽造しているという、カリオストロ公国の犯罪組織としての徹底ぶりを象徴。観客に「どれほど大規模な犯罪なのか」を印象づけます。
  2. 次元のキャラを際立たせるセリフ
    皮肉とユーモアを交えた一言で、クールな次元大介のキャラクター性を引き立てます。
  3. 観客の印象に残る“違和感”演出
    日本人にとって馴染みの薄い「ウォン」をあえて強調することで、「そんな通貨まで!?」という驚きを生み、印象に残るシーンに仕上げています。

カリオストロ公国の偽札「ゴート札」とは?

ゴート札の設定と偽造通貨の種類

カリオストロ公国が極秘裏に製造していた偽札は「ゴート札」と呼ばれ、作中では世界最高レベルの偽札とされています。

  • 偽札製造は400年にわたって続いてきたという設定。
  • 世界中の通貨が精巧に偽造され、ブラックマーケットなどに流通していた。

作中で描かれた偽造通貨の例:

  • 日本円
  • アメリカドル
  • 英ポンド
  • フランスフラン
  • 西ドイツマルク
  • ソ連ルーブル
  • イタリアリラ
  • インドルピー
  • スペインペソ
  • スウェーデンクローナ
  • 韓国または北朝鮮のウォン

「ウォン」も偽造された理由

経済規模にかかわらず、裏社会での影響力があった
たとえ日常的な利用が少なくても、マネーロンダリングや政治的な取引には使われていた可能性。

東側諸国との関係
冷戦下の1979年、ウォンは東側陣営の象徴の一つ。ソ連ルーブルと並んで、社会主義国の通貨を偽造していたことには政治的な意味も含まれていたと考えられます。

1979年当時の時代背景とセリフの関係性

冷戦構造と通貨

1979年はまさに冷戦真っ只中。

世界はアメリカを中心とする西側陣営と、ソ連・中国・北朝鮮などの東側陣営に分かれていました。

  • 韓国ウォン:西側陣営である韓国の通貨
  • 北朝鮮ウォン:東側陣営の代表的通貨

この「ウォン」が偽札として登場すること自体が、東西冷戦の緊張感や、そのどちらの陣営にも関係なく“金で動く世界”の存在を示唆しています。

日本国内でのウォンの印象

  • 1970年代後半の日本では、ウォンは一般的に流通しておらず、多くの人にとっては「未知の通貨」だった。
  • そのため観客は「ウォンまであるのか!」というセリフに素直に驚き、同時にその背景にある国際的な闇を自然と連想させられたのです。

社会風刺としての側面

宮崎駿監督は社会風刺を巧みに織り交ぜる演出で知られています。

  • 「ウォンまであるぜ!」というセリフは、単なるユーモアではなく、「国境も政治体制も関係なく、金の力が世界を動かしている」ことを皮肉っているとも解釈できます。
  • 偽札というテーマ自体が、国家の信用や経済システムへの風刺となっており、その象徴的セリフが「ウォンまであるぜ!」なのです。

セリフの演出意図とキャラクターの魅力

宮崎駿監督による仕掛け

  • 宮崎監督は、世界観にリアリティを持たせながらも、そこにさりげない笑いや違和感を織り交ぜる名手です。
  • 「ウォンまであるぜ!」は、その最たる例。世界の広さや犯罪のスケール、そしてユーモラスな驚きをたった一言で表現しています。

次元大介というキャラとの親和性

  • 冷静沈着で皮肉屋な次元だからこそ、「ウォンまであるぜ!」というセリフが自然に聞こえ、観客にもスッと入ってくるのです。
  • もしルパンが同じセリフを言ったら、やや軽すぎたり、おどけた印象になったかもしれません。

よくある疑問

Q.「ウォン」とはどこの通貨?韓国?北朝鮮?

A. 作中では明言されていませんが、当時の国際情勢を踏まえると、両方の可能性を想定した演出と考えられます。特に北朝鮮ウォンであれば、冷戦下の「敵国通貨」まで偽造しているというインパクトがより強まります。

Q. なぜこのセリフだけが有名に?

A. 一般的に知られていなかった「ウォン」が出てくることで、観客に強い印象を与えたからです。また、国際情勢や経済構造への暗喩が込められているため、解釈の幅が広く、今も語られ続けているのです。

Q. どのバージョンでもこのセリフは同じ?

A. はい、基本的には劇場公開版、テレビ放送版、Blu-ray版のいずれでも「ウォンまであるぜ!」というセリフは同じです。ただし、字幕・吹替により若干ニュアンスが異なることはあります。

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まとめ|「ウォンまであるぜ」は“笑って終わる”だけじゃない

『カリオストロの城』に登場する「ウォンまであるぜ!」は、たった一言ながら、映画のテーマ、キャラクター、時代背景、そして社会風刺のすべてを凝縮した名セリフです。

この一言には、

  • 犯罪ネットワークの広がりとスケール感
  • 冷戦下の国際的な緊張関係
  • 宮崎駿作品特有のユーモアと風刺
  • キャラクター性の巧みな表現

が詰まっています。

観るたびに新しい発見があり、40年以上経った今もなおファンの間で語り継がれる理由がよく分かります。

次に『カリオストロの城』を観るときは、ぜひ「ウォンまであるぜ!」のシーンに注目してみてください。

そこには、ただの驚き以上の深い意味が込められていることに気づくはずです!

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