『すずめの戸締り』には、閉じ師の草太が鈴芽とともに物語の中心となっています。
草太が唱える呪文は、映画を見ただけでは何と言っているのか、どんな意味なのか専門的知識がないと難しいですよね。
そこで今回は、
- 『すずめの戸締り』草太が唱える呪文の全文は?
- 呪文の意味について
- 草太が最期に唱える長めの呪文とセリフとは?
について解説していこうと思います。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
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結婚・出産後も年間100本は必ず鑑賞中。
Filmarksアカウントにも鑑賞レビューを掲載中。
『すずめの戸締り』草太が唱える呪文の全文は?
すずめの戸締り見てから宗像草太のリアコになりそうで苦しすぎてる。
— ムーさん (@b7IHK0vcrLWnicI) November 13, 2022
#すずめの戸締まり
#すずめの戸締り感想
#宗像草太 pic.twitter.com/9zLctKZvJ4
草太が唱える呪文というのは、神道における祝詞のことです。
祝詞は大事な祭事で神主が神様に奏上する時に使う言葉。祝詞は古代日本でも使用されていたことがわかっており、奈良時代前後にはすでに存在していました。
草太が唱えた呪文はどんなものだったのでしょうか?
呪文全文をチェック!
草太の呪文=祝詞は、現代の日本人が使う言葉ではないので聞き取れない部分も多かったと思います。
さっそく漢字とひらがな両方でチェックしてみましょう!
かけまくしもかしこき日不見(ひみず)の神よ。
かけまくもかしこきひみずのかみよ
遠つ(とおつ)御祖(みおや)の産土(うぶすな)よ。
とおつみおやのうぶずなよ
久しく拝領つかまつったこの山河(やまかわ)、
ひさしくはいりょうつかまつったこのやまかわ
かしこみかしこみ、謹んでお返し申す。かしこみかしこみ つつしんでおかえしもうす
単語で見ると聞いたことがあるという部分もあるかもしれませんね。
恥ずかしながら私は『お返し申す。』の部分しか記憶にありません…。
閉じ師である草太は、土地の神様に敬意を持ってその土地を返すというのが仕事なので、『謹んでお返し申す』意味が理解できますよね!
ちなみに鈴芽は『お返しします』と言っていましたが、閉じ師の助手的なポジションなのでかしこまらないでもOKということなのでしょうか?
映画の入場者特典だった『新海誠本』には、鈴芽の『お返しします』の説明がされているようですよ!
呪文の意味について
『すずめの戸締り』 鑑賞
— y.s. (@ys66228) December 3, 2023
映画館でも見たけど、やっぱ最後は泣けるな
「お母さんは?お母さんはどこ?」ってシーン。もらい泣きしてもた
あと歌が良すぎる。見終わってからずっとすずめ聞いてる
草太の呪文みたいなのもいいなー。こっちもずっと真似してる pic.twitter.com/7YIkV2WuBy
呪文の言葉を単語ごとに区切って説明していこうと思います。
単語の意味を知ることで、唱える意味がわかるのではないでしょうか?
- かけましくもかしこき=声に出すのも畏れ多い
神様に対する祝詞なので最大限の敬意を払った表現をする部分なのかもしれません。
- 日不見(ひみず)の神よ=ヒミズモグラの神よ
ヒミズモグラは日本のモグラの固有種でミミズの天敵なのだそうです。なのでヒミズの神様にお頼みするのでしょうね。
- 遠つ(とおつ)御祖(みおや)の産土(うぶすな)よ=先祖代々生まれ育ったその土地の神様
- 久しく拝領つかまつったこの山河(やまかわ)=長い間お借りしていたこの土地
人間たちが土地を借りて生活していたことに感謝の意を持ち、使わなくなったのでお返ししたいという神様への説明の部分に思えます。
- かしこみかしこみ=神道で神様にお願いをする際に用いる言葉
『畏み畏み』『恐み恐み』とも使われることがあるそうで、畏れ多いことなのですがという気持ちを強調しているのかもしれませんね。
意味を調べてみると、神様への深い感謝の気持ちが表されていることがわかりました。
私たち日本人は、古くから住んでる土地の土地神様への信仰がありましたし、感謝の意を常に持っていたということなのでしょうね。
草太が最期に唱える長めの呪文とセリフとは?
ヤフコメ
— メイリン(美齢) (@ykmeiling) March 26, 2023
都内も揺れました
東北の震源のとき、わりと東京も揺れます
⬆️
『すずめの戸締り』みたいに!「閉じ師」が「要石」突き刺し封じて⚡️扉を閉じてくれんか?🚪頼む🗝🙏 pic.twitter.com/mfKpUuUvpn
物語のラストでは、完全に要石になりかけていた草太が復活し、最後に長い呪文を唱えます。
その呪文の中には、祝詞ではない普通のセリフも混ざっていたので、内容を詳しく見ていきましょう!
最後の呪文とセリフは?
かけまくもかしこき日不見(ひみず)の神よ
遠(とお)つ御祖(おみや)の産土(うぶすな)よ
久(ひさ)しく拝領(はいりょう)つかまつったこの山河(やまかわ)
かしこみかしこみ、謹(つつし)んでお返(かえ)し申(もう)す!
最初の部分はすでに説明した部分ですが、この後はセリフとなっています。
『命がかりそめだとは知っています』『死は常に隣にあると分かっています』『それでも私たちは願ってしまう』
『いま一年、いま一日、いまもう一時(いっとき)だけでも、私たちは永らえたい!』
『猛(たけ)き大大神(おおおおかみ)よ!』『お頼み申します!』
このシーンは、サダイジンとダイジンが要石に戻り、鈴芽と草太がミミズに突き刺すところです。
草太のセリフには、
『人間の命は短く儚いものですが、それ故、少しでも多く自分の使命を果たそうと生きたいと思ってしまうのです。』という気持ちが込められていると解釈しました。
また、草太の閉じ師という仕事に限らず、日本は人口がどんどん減り続け、伝統的なもののほとんどが後継者不足です。
たとえ今後、後継者が現れなくとも今を生きる人間たちが、できる限り様々なことを繋いでいきたいという気持ちも現れていると感じました。
まとめ
すずめの戸締り☆ 70点
— のっけ(LINEスタンプ販売中) (@NOKKE55) March 26, 2024
多分あんまり合わないだろうなと思って見たけど想像以上に普通に楽しく見れた
誤解を恐れずに言うとキャラ,世界観のオタク臭さが程よく登場するマスコットキャラのおかげでいい塩梅に薄められ展開の速さも相まり・・まぁ、ええ感じにアレのアレしたという訳や#のっけ見た映画 pic.twitter.com/i92Zzkc0x2
『すずめの戸締り』草太の呪文の全文や意味、最後の呪文やセリフについて解説してきました。
結論とすると、
- 草太の呪文は祝詞で神様に奏上する言葉
- 呪文の意味を要約すると『畏れ多いことですが先祖代々お借りしていた土地を神様にお返ししたいと思います』となる
- 最後の草太のセリフには人間が儚い存在であること、もう少し生きさせて欲しいという願いが込められていた
となります。
『すずめの戸締り』は一度見ただけだと呪文の部分などを理解しにくいかもしれません。
しかし、呪文の意味を学んだことで古くから私たち日本人に根付く『神』という存在や敬うことについて、改めて深く考えられさせてくれたと感じました。