『すずめの戸締まり』は、君の名はや秒速5センチメートルで人気を博した新海誠監督の8作目の映画になります。
SixTONESの松村北斗が声優初挑戦をして話題となりました。神木隆之介や花澤香菜などこれまでの新海誠作品の常連声優もしっかり出演しています。
この映画を見た人たちのなかですずめの戸締まりは意味が分からない?伝えたいことがわからないなどという声が上がっています。
そこで今回は
- 『すずめの戸締まり』は意味が分からない!
- 『すずめの戸締まり』が伝えたいことは何?
- 東日本大震災が取り上げられたのはなぜ?
について私の意見をまじえながら考察していきたいと思います。
『すずめの戸締まり』のネタバレを含みますのでご注意下さい。
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中学生の頃に『スターウォーズ』に感動して以降、
映画の沼にハマり続けて20年。
結婚・出産後も年間100本は必ず鑑賞中。
Filmarksアカウントにも鑑賞レビューを掲載中。
▶考察が少し難しい『すずめの戸締まり』ですが、裏設定が面白く考察されている動画がありますので、ご参考にどうぞ~!
『すずめの戸締まり』は意味が分からない?
『すずめの戸締まり』について、意味がわからないと言っている人の声を確認してみましょう。
「意味がわからない」という評判の真相
意味がわからないと言っている人たちの多くが
ミミズや猫(ダイジン、サダイジン)の
存在や行動について
「意味がわからない」
と感じているようです。
『すずめの戸締まり』に登場するミミズや要石(ダイジン、サダイジンという名前の猫)については、日本古来の伝説がベースになっていて、しかも劇中ではあまり説明がされないので、「意味がわからない」という印象になっているのかもしれませんね。
ミミズや要石の考察について、詳細はこちらに書いています!
テーマは「東日本大震災」
『すずめの戸締まり』は東日本大震災をテーマに、現実に起こった出来事を物語にして語りなおしています。
もしかしたら、東日本大震災のことを知らない世代(10代?)は、何がテーマだろうと思っているかもしれませんね。
作品内ではっきりと東日本大震災という言葉は出てきませんが、鈴芽の絵日記が黒く塗りつぶされている始めたのが3月11日の日付からであることと、物語終盤でむかう鈴芽の実家が東北地方であり途中に寄っている場所が道の駅大谷海岸であることから、東日本大震災を被災してしまった人の話であることがわかります。
また、鈴芽の実家に向かう途中で帰宅困難地域の表示のある看板が映りますが、これは震災により引き起こされた原発事故の名残です。
双葉郡の辺りの国道6号線沿いをずっとロケハンしていると、道路ばかりが真新しくて、両脇の家々は全部バリケードが築かれてどんどん朽ちていっていた
映画「すずめの戸締まり」 新海誠監督インタビュー エンタメで災害を描く その思いは?
センシティブな内容ですが、改めて物語を紡ぎ直すことで、新海誠監督はどういったことを伝えたかったのでしょうか。
『すずめの戸締まり』が伝えたいこと
「おかえり上映」、池袋、盛岡、ありがとうございました🚪✨盛岡はオンラインでの舞台挨拶でしたが…楽しんでいただけていたら嬉しいです🙇♀️舞台挨拶は戸締まりとなりますが、『すずめの戸締まり』の「おかえり上映」は10/5(木)までです😊
— 新海作品PRスタッフ (@shinkai_works) September 30, 2023
次お会いする時まで皆様どうかお元気で✨ pic.twitter.com/6hmD461zPF
『すずめの戸締まり』が伝えたいことは、
様々な災いに遭うことがあっても自分の力で未来に進んでいくことが大事だ
ということです。
今作の主人公である鈴芽は幼少の頃東日本大震災で母親を亡くし叔母の家で過ごしています。
幼い頃に母を亡くしてしまった影響からあまり生きている実感を感じておらず、閉じ師である草太の仕事である非常に危険な後ろ戸の戸締まりも、躊躇なく手伝います。
もちろん鈴芽の持つ勇気のおかげということも考えられますが、草太に命が惜しくないのかと尋ねられた時惜しくないと答えていることから、勇気からの行動というよりは自分の命を軽く見ていると考察することができます。
最愛の母のいない世界で生きていく必要がないと思っている鈴芽ですが、草太との出会いと後ろ戸を戸締まりしていく旅を続けていく中で様々な人々とのふれあいを通じて、母の喪失という過去の事から未来へと目を向けることができるようになっていきます。
震災を忘れてしまうということではなく、過去だけに囚われることなく自分の気持ちに整理をつけながら未来へ進んでいって欲しいという監督の意思が込められているのではないかと考察しました。
東日本大震災が取り上げられたのはなぜ?
すずめの戸締りの聖地巡礼したりおいすた満喫して、その後は陸前高田の震災伝承館に。
— サイカ (@FeLesiTYS621) March 19, 2024
あの時はまだ小学生で、テレビ越しで実感もなかったから、こういう所に来て改めて知ることも多かった🥲
常設展示コーナー見てる間に時間が来ちゃってこの先に行くことできなかったから、リベンジしたい! pic.twitter.com/303KyZ30xp
東日本大震災が取り上げられた理由
東日本大震災が取り上げられたのは、
新海誠監督が抱いていた震災が希薄化してしまっていることへの焦りを形にするため
です。
新海誠監督はインタビューで、次のように答えています。
12歳になる娘は当然ですが震災の記憶がない。それでも映画を見て「面白かった」「泣いた」って言ってくれたんです。僕のメインの観客は10代で、場合によっては観客の半分近くが震災を知らないということもあり得る。でもこの映画を見ることで、東日本大震災というのは教科書の出来事ではなくて、自分たちとつながっている出来事なんだと若い世代に知ってもらえたら、それはエンタメにしかできない仕事なんじゃないかと思っています。
映画「すずめの戸締まり」 新海誠監督インタビュー エンタメで災害を描く その思いは?
新海誠監督には12歳になる娘さんがいるそうなのですが、東日本大震災をリアルタイムで経験していない娘さんでもこの作品の持つメッセージを理解し、泣いたそうです。
このように、実際に東日本大震災を経験していない人たちに対して今作を通じて、震災の記憶を伝えていっているのだと思います。
新海誠監督が目指したものは?
新海誠監督は東日本大震災がもたらした被害などの実際に何が起こったかをドキュメンタリー的に伝えていくのではなく、アニメーション作家としてエンターテイメントという形で残そうとしています。
東日本大震災をエンターテイメントの作品で取り上げたことに賛否あると思いますが、作品としてはとてもよくまとめられているものだと思いました。
まとめ
今回は
「『すずめの戸締まり』は意味が分からない!」「『すずめの戸締まり』が伝えたいことは何?」「東日本大震災が取り上げられたのはなぜ?」
について考察しました。
内容をまとめると次の通りです。
- 『すずめの戸締まり』は現実に起こった出来事を物語にして語りなおしている。
- 『すずめの戸締まり』が伝えたいことは自分の力で未来に進んでいくことが大事だという事。
- 東日本大震災が取り上げられたのは震災が忘れられてしまうのを物語として残すため
東日本大震災という重いテーマを扱っておりとっつきにくいと思われている方もいるかと思いますが、映像美などエンタメ的な盛り上がりも多い作品ですのでぜひご覧ください。