映画『火垂るの墓』は、戦争の悲惨さと兄妹の絆を描いた不朽の名作として、世界中で愛され続けています。
しかし近年、主人公・清太の行動について「なぜクズなの?」「本当にクズとして描かれているの?」という議論がネットやSNSで活発化しています。
本記事では、清太に対する批判と擁護の両方の視点を踏まえ、戦時下の背景や心理状態を交えながら考察し、映画のメッセージに迫ります!
映画『火垂るの墓』を観て心が動かされた方には、
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映画鑑賞は年間100本以上・映画ブログ運営4年
中学生の頃に『スターウォーズ』に感動して以降、
映画の沼にハマり続けて20年。
結婚・出産後も年間100本は必ず鑑賞中。
Filmarksアカウントにも鑑賞レビューを掲載中。
清太はなぜ「クズ」と言われるのか?世間の声とその背景
火垂るの墓で清太が文字通りの火事場泥棒をするんですがあいつウッキウキでやってるんですよね。食うために仕方ないんです!許してください!みたいなスタンスじゃなくて。そこは清太というクズをしっかりクズとして描いていて高畑勲監督がフェアだなと。 https://t.co/i2aogzWDyt pic.twitter.com/6jZ9A5MRLE
— やぶさめり (@yabusameri) May 27, 2025
ネット上で「火垂るの墓 清太 クズ」と検索すると、多くの意見が見つかります。
その傾向を整理すると以下のようになります。
批判的な意見
- 家族を支える責任感に欠けている
- おばさんとの対立が早計で、結果的に節子を危機に追いやった
- 大人の助言を聞いていれば節子を救えた可能性がある
- 食糧不足にも関わらず、自我を優先する場面がある
擁護する意見
- 14歳という年齢で背負うには過酷すぎる状況だった
- 戦時下では冷静な判断ができる方が珍しい
- 精神的に追い詰められた中での必死の選択だった
つまり、清太の評価は観る人の人生経験や価値観、そして当時の状況理解の有無によって大きく変わります。
「クズ」と評される具体的な行動・場面の分析
火垂るの墓
— Y_NAKAJIMA (@y_nakajima_) July 26, 2023
劇場公開から35年も経ってるのに放送される度におばさんと清太について論争になるの凄いよね
子供の頃見たときは、辛い目に合ったばかりの清太に追い打ちをかけるように意地悪をするおばさんが邪悪に見えたが… pic.twitter.com/Dcp25hLfvS
1. おばさんとの対立と家出
母を亡くし、焼け出された清太と節子。遠縁の家に身をよせるが、邪魔者扱いされ、冷たく当たられてしまう。
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) July 24, 2025
そんな日々の中で清太が下した決断は、池のほとりの防空壕で、2人きりで暮らすことだった。
『火垂るの墓』はNetflixにて独占配信中。#火垂るの墓 pic.twitter.com/7QXci1qUwW
おばさんの冷たい態度や偏った発言があったとはいえ、家を飛び出す選択は節子の健康と命を危険にさらしました。
2. 母の死を妹に隠す
日本人が知らない事実
— shin (@r230614_shin) January 21, 2025
火垂るの墓冒頭で、晴太と節子のお母さんが殺される空襲は
1945年6月5日早朝の
「神戸大空襲」
空襲場面で飛び散る炎は
火の粉ではなく
「ゼリー状のガソリン」
(燃焼温度1300度) pic.twitter.com/qUWzzGs9ZP
節子を守るための配慮とも取れますが、事実を隠すことで状況判断を誤らせた可能性もあります。
3. 食糧調達の失敗や盗み
火垂るの墓でも清太が文字通りの火事場泥棒で着物とか米とか大量に盗むんですけど「子どもに悪影響が!」といつも騒いでる人達は何も言いませんよね。 https://t.co/7bsfVwS1up pic.twitter.com/BtIRNPWWGp
— やぶさめり (@yabusameri) June 22, 2025
生きるための盗みは批判もありますが、他に選択肢がほとんどなかったことも事実です。
4. 大人への反発
二子山部屋部屋の宿舎はニテコ池の近くやねぇ。むかーし火垂るの墓の聖地巡礼まわった時に行った節子と清太の横穴の場所
— 空空(くうくう) (@kuku_art) February 20, 2024
( ノω-、) pic.twitter.com/TCyrPv4Qtc
親戚や役所への反発は、自立心や誇りの表れであると同時に、助けを遠ざける要因にもなりました。
清太は本当に「クズ」と描かれているのか?
『火垂るの墓』って昔の話すぎて伝わらない部分あるからサザエさんみたいに現代もちょっと取り入れて
— クソニート牧場 (@kusoneetbokujyo) February 20, 2024
清太「堪忍して下さい!!妹が病気なんです!!」
って空襲のドサクサでiPhoneしこたま盗もうとしてAppleストアの店員に殴られるシーンとかに変えて欲しいな pic.twitter.com/rX4a8QqQZq
映画は清太を単なる被害者や英雄として描いていません。
弱さも誤りも包み隠さず見せることで、非常に人間的なキャラクターになっています。
誇り高さと未熟さが同居し、観客に「もっとこうすればよかったのに」と感じさせる構造こそ、作品の深みの源です。
戦争という極限状態がもたらす非合理な選択
Netflixで火垂るの墓を観たけどやっぱり衝撃強いな…。何回も観てるし内容わかっててもきつい。
— おめぐ‼️強く生きる‼️💖🦋 (@neko_no_gebokuu) July 15, 2025
となりのトトロと火垂るの墓、二本立て同時上映だったらしいんだけど、ほのぼのアニメの後にいきなり死体やウジ虫ごろごろの戦争アニメになるとか相当トラウマだっただろうな。 pic.twitter.com/Frlpuq1AVn
- 飢餓や孤独、疎外感は人間の判断力を奪う
- 誇りと自己中心性は紙一重
- 観客が抱く「もどかしさ」こそ、戦争の非人間性を訴える重要な要素
清太は子どもならではの純粋さを守ろうとし、その結果、非効率で危うい選択をしてしまいます。
この「非合理性」は、極限状況での人間の行動をリアルに映し出しています。
清太への批判は現代社会への問いかけでもある
◎本日 9月21日は『火垂るの墓』の清太の命日です。
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) September 20, 2024
栄養失調となった清太は、1945年(昭和20年)9月21日に三ノ宮駅構内で衰弱死しました。
合掌 pic.twitter.com/DqU7ALDLbU
清太への評価は、現代日本の価値観と強くリンクします。
- 若者に対する責任や判断力の期待
- 親戚や地域とのつながりの希薄化
- 自己責任論と生存戦略の衝突
彼を“クズ”と呼ぶ議論は、戦時下の少年像だけでなく、現代社会の家族観や支え合いの在り方にも問題提起しています。
「クズ」ではなく「未熟さ」と「人間らしさ」としての清太像
7月27日はスイカの日🍉
— せやかて工藤 (@zxun72) July 27, 2020
『火垂るの墓』のスイカのところは本当に切ない…
栄養ある物を食べてほしいと思った優しさ。
今後の見通しが持てない時に少ないお金でスイカを買うところ。
妹思いで、まだ少年で、懸命に今を生きようとする姿に涙が止まらなかった。
ドロップ缶に水入れてみるのも真似したなあ pic.twitter.com/Qx9rG1uOmP
清太は弱さと愛情を併せ持つ、未熟で等身大の少年です。
戦争という異常な状況下では、誰もが似た選択をしてしまうかもしれません。
- 弱さは人間らしさの一部
- 完璧ではないからこそ感情移入できる
- 彼の物語を通して、戦争の非人間性や家族の尊さが浮き彫りになる
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まとめ
我ら平成みんなのトラウマ『火垂るの墓』が本日よりネトフリにて見放題…!! pic.twitter.com/jQuN0Hboeq
— ゆいちむと映画 (@YUI3MOV) July 14, 2025
清太は一部で「クズ」と批判されますが、単純に断罪できる人物ではありません。
彼の弱さや未熟さは、戦争という異常事態の中で誰もが抱える人間性の一面です。
そして、その行動や選択が、私たちに「もし自分だったら?」と問いかけてきます。
だからこそ、『火垂るの墓』は時代を超えて多くの人の心を揺さぶり続けるのです。