映画『君たちはどう生きるか』を観終えたとき、「アオサギの“風切りの7番”って、どういう意味だったのだろう?」と疑問に感じた人は多いのではないでしょうか。
物語の中で明確に解説されるわけではないこの言葉。
しかし、
そこには宮崎駿監督らしい繊細なメタファーが隠されており、主人公・眞人の内面と強く結びついているのです。
本記事では、鳥類学的な視点からの正確な意味に加え、アオサギのキャラクターが担う象徴性、そして“風切りの7番”が映し出す心のテーマまで、多角的に掘り下げて考察していきます。
ジブリの映画『君たちはどう生きるか』を観ると、元ネタの『君たちはどう生きるか』も気になってきますね!内容はかなり違いますが、映画がインスピレーションを受けたのは間違いないようです!

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「風切りの7番」とは何か?鳥の羽根の仕組みと役割から読み解く
君たちはどう生きるか 小ネタ③
— シネマの染み:映画に何を見た?🎥 (@rorschach_movie) July 15, 2023
風切りの7番#君たちはどう生きるか#ジブリ#アオサギ#菅田将暉#青鷺#羽#風切り#初列風切羽 pic.twitter.com/Xhq5ngxZOB
「風切りの7番」とは、鳥の翼にある“風切羽(かざきりばね)”の中でも、特に重要な部位を指します。
風切羽は飛翔に必要不可欠な羽で、翼の外側から順に番号が振られており、初列・次列・三列と分かれています。
映画で描かれる“7番”は、おそらく初列風切のうち胴体に向かって7番目の羽を意味していると考えられます。
鳥にとって風切羽はまさに“翼”そのものであり、ここが損傷すればバランスを崩して空を飛べなくなってしまいます。
アオサギにとっての「風切りの7番」は、単なる羽根ではなく、飛行=自由と自我を支える中枢。それを失うということは、生命線を断たれるような致命的な損失なのです。
なぜ「風切りの7番」はアオサギの弱点なのか?物理的・象徴的な意味の両面から考察
ジブリ「君たちはどう生きるか」で矢に使われたアオサギの風切り羽について、映画を見ていない猛禽類保護センターの友人に聞いたら、矢に使われる羽は左右対称の尾羽のみ。非対称の風切羽を使うとコントロールの効かない矢になってしまうので使えないと、的確な答えが返ってきました。さすが…😅 pic.twitter.com/IAdkSqxQZc
— 17年歴バセドウ病を治しました/竜八 (@hachiandryu) September 26, 2023
飛行不能という現実的な弱点
物理的には、風切りの7番を失えば飛ぶことはできません。空を翔ける鳥としての誇りや自由が失われるという意味でも、アオサギにとっては取り返しのつかない痛手です。
作中でもこの羽根が抜かれたことで、アオサギは鳥の姿に戻れなくなる、あるいは“嘘をつけなくなる”と描写されており、それが彼の変化を象徴しています。
実際に描かれるのは、眞人がアオサギに向かって矢を放ち、風切りの7番を傷つける場面です。
この行動は敵意ではなく“真実に向き合う”ための儀式のように描かれ、羽を失ったアオサギはその後、異世界の生き物としての仮面を脱ぎ、眞人に対して素直で率直な言葉を交わすようになります。
姿も人間のような言葉を話す“生物”に定着し、もはや偽りの存在ではなくなったことが暗示されるのです。
これは“心の羽根”を捧げたことで、アオサギ自身も変化した瞬間でもあり、眞人の成長と呼応する重要な転換点となっています。
精神的・象徴的な“弱点”
君たちはどう生きるか 宮崎駿
— 接ぎ火文庫 (@tsugibi_book) March 10, 2024
少年は異世界に行ってひとつの世界を滅ぼしかねない冒険と友を見つけようやく母親を失った喪失の受容と、義母との家族のやり直しを成し遂げられる
こどもにとって母親を失うのはそれほど重い
彼は嫉妬も弱さも悪意までもを受け入れて進む
僕も現実を生きようと思えた pic.twitter.com/a5lltDphAY
この羽根が弱点として語られる背景には、より深いメッセージが込められています。
それは、
“心の弱さ”を象徴しているという解釈です。アオサギというキャラクターは、眞人の迷いや未熟さ、不安定な感情のメタファーとして描かれており、その本質にある脆さが「風切りの7番」と重ねられているのです。
たとえば、劇中でアオサギはしばしば嘘をついたり、本心を隠すような言動を繰り返し、眞人を混乱させますが、それは彼自身が“心の防御”を張っている状態でもあります。
この態度は、眞人が母の再婚や現実逃避への葛藤を抱えていた姿と重なります。
そんなアオサギの象徴である「風切りの7番」が傷ついたとき、彼もまた“偽りの皮”を剥がれ、本来の姿=弱さを受け入れた存在へと変わっていくのです。
つまり、アオサギの変化は眞人の心の変化をなぞるように描かれており、「風切りの7番」はその通過儀礼として機能しています。
映画における「風切りの7番」の描写と物語構造との関係性
おはようございます
— 気まぐれANGEL🐈🐾 (@photo_20230506) September 5, 2023
アオサギさんも群れで動くようになりました。まさに君たちはどう生きるか、です。私は自分の思うままに生きると思うようになりました。自己中心的とかわがままとか自分勝手とかとは違いますよ?
自分に嘘をつかない、ということです。 pic.twitter.com/tXpWdMYTke
「嘘がつけなくなる羽根」としての比喩的意味
風切りの7番が抜かれることでアオサギが嘘をつけなくなるという描写は、言い換えれば“本心をさらけ出す”ことの強制でもあります。
これはまるで「指切りげんまん」に通じるような、日本独特の“約束”の感覚。
眞人とアオサギとの信頼関係の転換点であり、言葉でなく行動によって誠実さを示す重要なシーンです。
眞人が矢を放った意味とアオサギの変化
『君たちはどう生きるか』鑑賞5回‼️
— シュウコ (@w66jQNXWqtuc87F) August 24, 2023
見る度に菅田将暉さん声優の『アオサギおじさん』☜私には顔的におじさんに
見えるのだ‼️
愛嬌があり最後は眞人に『友達』っていわれて照れて『あばよ‼️友だち』って
去っていく後ろ姿が愛しかった❤️
沢山の配役で菅田将暉さんに
ピッタリだった‼️
『アオサギ男』 pic.twitter.com/mXHudUXu0i
物語の中盤、眞人はアオサギの“風切りの7番”を狙って矢を放ちます。
この行動は攻撃ではなく、むしろ“相手の核心に迫る”行為と解釈できます。
相手の仮面を剥ぎ、本音を引き出す一撃。
その結果、アオサギは嘘を捨て、眞人と真正面から向き合うようになるのです。
アオサギのキャラクター性とスピリチュアルな役割
あと今鼻先にクソデカニキビ出来たから人様に見せれる顔してない。まじで君たちはどう生きるかのアオサギ。 pic.twitter.com/leL4xK7gJB
— ナズナさん。 (@depast124) July 22, 2024
アオサギは何を象徴しているのか?
君たちはどう生きるか 小ネタvol.1
— シネマの染み:映画に何を見た?🎥 (@rorschach_movie) July 14, 2023
アオサギは何を象徴しているか#君たちはどう生きるか#アオサギ#青鷺#ジブリ#菅田将暉 pic.twitter.com/08vr1KohsR
アオサギは一見コミカルで皮肉屋なキャラクターですが、その裏にはスピリチュアルな役割が託されています。
彼は「導き手」でありながら、「試練を与える存在」でもあり、物語における“トリックスター”として機能しています。
- 決断力:真実を見極めるきっかけを与える。アオサギは、眞人が重要な選択を迫られる場面で現れ、時には皮肉混じりに導くことで“決断”の契機を作り出します。
- 創造性:想像力によって新しい世界を切り開く。異世界の扉を開く案内役として、現実を越えた視点や価値観を眞人に与え、視野を広げさせる役割を担います。
- 忍耐力:逆境に立ち向かう支援者。最初は不誠実に見えるアオサギですが、危機的な状況でも眞人を見捨てず、最終的には彼の側に立って行動する存在になります。
- 柔軟性:矛盾や混乱を受け入れながらも前に進む。嘘をついたり姿を変えたりしながらも、本質的には眞人の成長を促す柔軟なナビゲーターであり続けます。
アオサギと眞人の関係に見る“心の成長”の物語
最初は不信感を抱いていた眞人が、アオサギと対話を重ねることで少しずつ心を開いていく過程は、まさに自己との対話そのもの。
アオサギは眞人の“鏡”であり、未熟な心、弱さ、不安といったものが具現化された存在です。
最終的に眞人がアオサギを受け入れたとき、それはすなわち“自分の弱さを認める”という意味になります。
「風切りの7番」が伝えるメッセージとは?読者自身への問いかけ
映画『君たちはどう生きるか』★★★3.9点。丹精込めて作られた宮崎駿ワールドの玉手箱は圧巻、そして圧倒。メッセージ性の消化が委ねられてる感じは、本作がやや大人向けのジブリ作品だからなのかもしれない。https://t.co/DgbeKnxmDj pic.twitter.com/r3eEHgcFZW
— ミナ口 (@minaguchiop) January 10, 2025
弱さとどう向き合うか?自己受容というテーマ
「風切りの7番」は、弱さを否定するものではなく、“そこからどう立ち上がるか”という問いを投げかけてきます。
眞人が自ら矢を放ち、アオサギの羽を奪った瞬間から、彼は逃げずに向き合う覚悟を決めたとも言えるのです。
観客への問い:「あなたにとっての“風切りの7番”とは?」
誰しも心に“弱点”を抱えて生きています。それを隠したり否定するのではなく、正面から見つめ直すことで初めて、次の一歩が踏み出せる。
アオサギの羽根は、観客にそんな問いを投げかけてくれるのです。
よくある疑問とその答え(Q&A形式)
『君たちはどう生きるか』眞人🏹͙
— kokari. (@kokari_ghibli) March 26, 2024
途中経過〜✏️
風切りの7番飛んだ後ver.
背景進まず…デジャブ。笑
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実際の鳥にも「風切りの7番」はある?
はい、風切羽には番号が振られており、7番目の羽も存在します。飛行におけるバランスや推進力の要となる部位です。
なぜアオサギはこの弱点を持っていたの?
彼のキャラクターが“未熟な心”の象徴であり、その中核を表すのが“風切りの7番”だったと考えられます。弱点を描くことで、物語にリアリティと深みが生まれています。
アオサギの正体と“嘘つき”の背景とは?
異世界の住人でありながら、眞人の内面の写し鏡でもあるアオサギ。その嘘つきな言動は、眞人自身が他人や自分に対して持つ“ごまかし”の象徴とも取れるでしょう。
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まとめ|“風切りの7番”から始まる心の旅路と成長の物語
「君たちはどう生きるか」公式ガイド本発売決定、全キャストのインタビュー&コメントも
— ジブリまみれ (@ghiblimamire) October 14, 2023
・インタビュー⁰山時聡真
眞人の冒険を、真に受けて欲しい⁰菅田将暉
映画を通してどう生きるか⁰木村拓哉
宮崎さんはサンタクロース 鈴木さんはトナカイ⁰木村佳乃
母になるということ⁰柴咲コウ… pic.twitter.com/RH4NfKqE8K
アオサギの“風切りの7番”は、物語において単なる飛行能力の損失ではなく、“心の核心にある弱さ”を象徴する重要な要素として機能しています。
眞人はそれに触れ、揺らぎ、そして乗り越えることで自らの成長を遂げていきます。
「君たちはどう生きるか」というタイトルが示す通り、この物語は観客一人ひとりへの問いかけでもあります。
自分にとっての“風切りの7番”とは何か? それとどう向き合うか? アオサギと眞人の物語は、その答えを探す旅の出発点を与えてくれるのです。
映画を観たあと、きっともう一度、アオサギのあの羽根の意味を思い返したくなるはずです!